金融工学

S&P500の2倍レバレッジを長期保有するとどうなるか?30年間投資するならレバレッジ不要な理由を説明する。

投稿日:2021年6月15日 更新日:




 

過去記事でS&P500のレバレッジなし、2倍レバレッジ、3倍レバレッジを定量的に比較しました。

株価のリスク・リターンが20%・7%の幾何ブラウン運動すると仮定して計算。見えてきたのは、「3倍レバレッジは元本割れリスクが高い割には、高いリターンを得る確率が少ない」ということでした。過去記事から抜粋:

10年間レバレッジ3倍かけると:

元本割れ確率は45%でトップ。

リターンが3倍を超える確率はリターン2倍よりも劣る。

意外ですね。せっかく3倍レバレッジかけたのに元本割れ確率は激増してます。そして悲惨なことに3倍超える確率はレバレッジなしと変わらないんです。

確かに1~5年間なら2倍レバレッジよりも高いリターンを得る確率は高いですが、高い元本割れ確率というリスクを犯してまでやることか?と思ってしまいます。総合的に考えるとレバレッジを3倍かけるメリットを感じません。やるなら2倍だな ww

では2倍レバレッジはどうなのよ?長期で持てば高いリターンを得られるのか?

 

Sponsored Link



 

過去記事と同じ手法で計算した結果を載せていきます。L=1がレバなし、L=2が2倍レバレッジです。

10年間投資

L=2の元本割れ確率はL=1より高いが、その差は10%程度で大きくはない。2~6倍を超える確率までを比較すると、どの場合でもL=2が優っている。

20年間投資

L=2の元本割れ確率はL=1より高いが、その差は15%程度に開いた。2~6倍を超える確率までを比較すると、3倍~6倍を超える確率はL=2の方が優っている。

30年間投資

L=2の元本割れ確率はL=1より高いが、その差は18%。2~6倍を超える確率までを比較すると、意外にもL=1の方が優っている。グラフには載せていませんが、7倍超えを狙うならL=2が優っています。

 

Sponsored Link



 

ナカナカ面白い結果が出ましたね。

10年間:何倍超えでもL=2が優っている。

20年間:3倍超えを狙うならL=2が優っている。

30年間:7倍超えを狙うならL=2が優っている。

30年間に注目。2倍超え~6倍超えを狙うならレバなしの方が確率が高いんです。しかも元本割れ確率はレバなしがL=2の1/3程度で済む。

30年間投資するならリターン7倍超えでも目指さない限り、元本割れリスクを犯してまで2倍レバレッジもかける必要ないのでは?と思えてきます。

一方で20年間投資するなら2倍レバレッジかけた方がいいかもしれません。

 

Sponsored Link



 

何でこんなことになるのか?結局のところ確率分布の時間変化によってこうなるんです。レバレッジをかけると時間が経過するにつれて対数正規分布の裾がリターンのプラス方向に大きく広がります。

だから7倍超えとか8倍超えの高リターンを得る確率はレバありの方が高くなる。その代わり裾はマイナス方向にも大きく広がるので元本割れ確率も上がります。

結局は高い元本割れ確率を受け入れてまで高リターンを目指すのかってところに尽きるんです。レバレッジは。

仮にリターン6倍超えを狙うとして、30年投資するならレバレッジなしと2倍レバレッジの各確率はそれほど変わらないんです。10年投資なら話しは別ですが。

私は長期投資派。この考察に基づくと2倍レバレッジもナシという結論に落ち着きました ww

 

ちなみにS&P500の最適レバレッジは1.75倍。1.75倍の検証結果もやってみたいですね。というかもう趣味の世界だな ww

米国S&P500の最適なレバレッジが1.75倍の理由。だからSPXLの3倍は高すぎる

【衝撃】レバレッジはリターンの中央値を下げる【金融工学】

 

Twitterでブログ記事の更新通知を受け取れます:

 

記事が役に立ったらクリックお願いします↓

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-金融工学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

米国S&P500を平均リターン7%・リスク20%の幾何ブラウン運動でモデル化する理由。

  私のブログでは米国S&P500を年率平均リターン7%、リスク20%と仮定して将来のトータルリターンや元本割れ確率を分析しています。 この年率リスクとリターンは過去の実績から計算し …

リスク資産の最適な割合を計算するためのサミュエルソンの割合を説明する。

  前回の続きです。 株などのリスク資産を持っているとき、自分のポートフォリオ全体でリスク資産を何%にすべきか? そう問われれば「自分のリスク許容度に見合った割合にすべき」というのが教科書的 …

リターン中央値を最大化する最適レバレッジ比率の効果を幾何ブラウン運動で説明する。

    前回の記事「なぜレバレッジをかけて高リターンを得るのは運ゲーなのかを幾何ブラウン運動で説明する。」では、レバレッジについて以下のように説明しました。 (1) 株価が幾何ブラ …

現金:S&P500の最適比率が分かる早見表 (マートン問題と相対的リスク回避度で計算)

  過去記事でS&P500に投資した際の最適比率を計算する方法を、マートンのポートフォリオ問題を用いて説明しました。 マートン・社畜の式: S&P500の最適比率 = 1.7 …

高配当株かグロース株どちらに投資するかはIRRを比較するべし。

  読者様から質問を頂きました。どうもありがとうございます。 高配当銘柄に投資するか成長が見込めるグロース株に投資するか、どちらが大きなリターンを得ることができるとお考えでしょうか?理由も教 …

サラリーマンが全資産の95%をインデックスファンド(S&P500・オルカン)で運用中。2024年に億り人達成!ブログで様々な投資シミュレーションを紹介!

お問い合わせは:こちら

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ