資産運用 金融工学

新NISA S&P500 1月一括投資vs毎月投資を確率分布で検証

投稿日:2023年12月13日 更新日:




 

新NISAでS&P500に投資する場合、「毎年1月に一括投資」または「毎月投資」どちらにするかは悩ましいところです。

結論から書くと「毎年1月に一括投資」の方が将来のリターンが勝る可能性が高いです。じゃあ、リターンはどれくらい変わるのか?が私の関心。

実は似たようなネット記事は出ているのですが、リスク(価格変動)を考慮して計算したものは私の知る限りありません。というか個人的にはリスクを考えていない検証結果は無意味です。というわけで計算してみます。前提条件は次の通り。

・S&P500はリスク20%、リターン7%で幾何ブラウン運動する

・「1月一括投資」:投資開始5年間は毎年1月に360万投資する

・「毎月投資」:投資開始5年間は毎月30万円投資する

・両ケースとも5年間投資したあとは、15年間は追加投資しない

・両ケースの投資開始20年後のリターンを比較する(どちらも合計1,800万円投資した)

 

投資開始20年後のリターンの分布は次の通り。

分布は両ケースでほとんど変わりませんが、1月一括の方が少しだけピークが低く、その代わり高リターン側の確率が高いです。つまり、高リターンが実現する可能性が高くなります。

分布形状が具体的な数値にどう影響するか見てみます。下に20年後の平均値、中央値、元本割れ確率などを示します。

平均値を比較すると、6,255万円 vs 5,860円です。その差は300万円程度で、そんなに変わらないなという印象です。他の値も同様。計算結果では確かに1月一括の方が有利ですが、毎年給料から生活費を引いた金額を全額投資にぶち込んでいる身としては、360万円一括は現実的に実現不可能です。

なのでこの検証結果は、実現不可能なことがもしも出来たらいいのにと、ウジウジ悩む未練を断ち切るのに使おうと思います。なーんだ、結局20年後の平均評価額は300万円程度しか変わらないのだと。

 

他のおすすめ記事:

一括 vs 積み立てをもっと詳しく解説した記事↓

つみたて投資でなぜリスクを減らせるのかを数字で説明する。

 

 

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-資産運用, 金融工学

執筆者:

関連記事

マートンのポートフォリオ問題で最適なリスク資産割合を計算する方法を説明する。

  前回の続きです。 マートンのポートフォリオ問題とは、「個人の期待生涯効用を最大にするように最適な消費と最適な資産の組み合わせを決定する」という問題です。 「期待生涯効用」が分かりにくいと …

S&P500の2倍レバレッジを長期保有するとどうなるか?30年間投資するならレバレッジ不要な理由を説明する。

  過去記事でS&P500のレバレッジなし、2倍レバレッジ、3倍レバレッジを定量的に比較しました。 株価のリスク・リターンが20%・7%の幾何ブラウン運動すると仮定して計算。見えてき …

最適なポートフォリオ

  長期投資を前提とすると最適なポートフォリオは、リターンが高く、同時にリスク(価格変動)が低いポートフォリオです。つまりシャープレシオ最大のポートフォリオが最適ということになります。シャー …

TECLとTQQQのレバレッジ3倍は高すぎるのか?最適レバと比較すると全然高くなかった。

  前回の記事ではS&P500の最適レバレッジが1.75倍であることを紹介しました。ポイントだけ再掲します。 (1) ポートフォリオにレバレッジをかけるとリスクとリターンが高くなる。 …

株価はどう動くか?幾何ブラウン運動の株価変動モデルを説明します。

  株価はランダムな動きをすると仮定して構築されたのが現代ポートフォリオ理論。難しそうな微分積分の式を見れば怖気づきますがミソだけ押さえれば理解するのはさほど難しくありません。 株価が「ある …

サラリーマンが全資産の95%をインデックスファンド(S&P500・オルカン)で運用中。2024年に億り人達成!ブログで様々な投資シミュレーションを紹介!

お問い合わせは:こちら

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ