金融工学

自分のリスク許容度を知るための相対的リスク回避度の計算方法を説明する。

投稿日:2021年8月3日 更新日:




 

株などのリスク資産を持っているとき、自分のポートフォリオ全体でリスク資産を何%にすべきか?

そう問われれば「自分のリスク許容度に見合った割合にすべき」というのが教科書的な回答。ではその割合を計算する方法は?

私が投資関連でとてもユニークだと思っている「ライフサイクル投資術」という本には、リスク許容度の計算方法としてサミュエルソンの割合が紹介されています。

サミュエルソンの割合の計算方法は次の通り:

(1) 相対的リスク回避度 (RRA)を求める。

(2) RRAを公式に代入してサミュエルソン割合を求める。

 

(1)と(2)を簡単に説明していきますが、実は(2)のところでレバレッジに関連する面白いことが分かります。それは後続の記事で紹介します。

 

Sponsored Link



 

(1) 相対的リスク回避度 (RRA)を求める。

RRA (Relative Risk Aversion)は以下のグラフに従って計算できます。

例えば、私が収入の20%をリスクに晒してもいい、つまり最悪のケースでゼロになってもよいと考えるなら、RRAは3.76です。

ちなみに、他のケースのRRAを計算してみると、

30%をリスクに晒せる:RRA=2.2

40%をリスクに晒せる:RRA=1.2

50%をリスクに晒せる:RRA=1.0

(グラフ上で読み取ったので少し誤差あるかも)

このRRAを公式に代入すればサミュエルソンの割合を計算できます。

続きは次の記事で。

 

※ところで初めて「ライフサイクル投資術」をよんだとき、このRRAのグラフはどこから出てきたんだ?と思いました。これは「効用関数」を用いて計算できます。

RRAと効用関数の関係は後日紹介します。

 

参考:

「ライフサイクル投資術」は私が推すユニークな本。私はレバレッジには消極的ですが、それでもこの本は良い本。

Twitterでブログ記事の更新通知を受け取れます:

 

記事が役に立ったらクリックお願いします↓

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-金融工学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

高配当株かグロース株どちらに投資するかはIRRを比較するべし。

  読者様から質問を頂きました。どうもありがとうございます。 高配当銘柄に投資するか成長が見込めるグロース株に投資するか、どちらが大きなリターンを得ることができるとお考えでしょうか?理由も教 …

S&P500 2倍レバレッジは暴落したらどうなるか説明する。幾何ブラウン運動+ジャンプ過程。

  過去記事で、暴落を取り入れた幾何ブラウン運動のシミュレーションをS&P500のレバなし、2倍レバ、3倍レバで行いました。 各ケースのシミュレーション結果をバラバラの記事で紹介した …

S&P500つみたて投資は一括投資より元本割れしやすい理由を数字で説明する。

  前回の続きです。 一括投資と比べてつみたて投資って何がありがたいのか?と聞かれれば、リスクを減らせるのがイイ!というのがザックリした(よくある)答えです。 ただし、この点はもう少し深堀す …

リターン中央値を最大化する最適レバレッジ比率の効果を幾何ブラウン運動で説明する。

    前回の記事「なぜレバレッジをかけて高リターンを得るのは運ゲーなのかを幾何ブラウン運動で説明する。」では、レバレッジについて以下のように説明しました。 (1) 株価が幾何ブラ …

資産いくらまで増えたら追加投資をやめるか?

  どうして銀行預金せずに株や投資信託に投資するかというと、資産を増やしたいからです。なぜ資産を増やしたいのかというと、資産が多いほど使える金が多いからです。当たり前ですね。 私の保有資産の …

サラリーマンが全資産の95%をインデックスファンド(S&P500・オルカン)で運用中。2024年に億り人達成!ブログで様々な投資シミュレーションを紹介!

お問い合わせは:こちら

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ