「リスクを取れ」とか「リスクを受け入れろ」とかいう言葉は私から言わせれば無責任。
相手を鼓舞するために言うのは悪いことだとは言わないが、言ってる本人が「リスクに立ち向かうとはどういうことなのか?」を本当に理解しているのか?と言いたくなる。
リスクとは「不確実性」のこと。金融の分野に限れば、リスク資産の価格変動の大きさ(ボラテリティ)のこと。
米国プロジェクトマネジメント協会 (私は会員)が提唱するプロジェクト・マネジメントの知識体系には、リスクマネジメント方法が体系的にまとめられています。プロジェクトとか興味なくても、これはなかなか参考になります。
そこにはリスクの特定方法や対応方法、評価方法がまとめられているのですが、ここで紹介するのは対応方法。
対応方法は4つに分類されます。
【リスク回避】
目標に対するリスクを除去する。例えば自分自身の知識や能力の欠如で目標達成が難しいのであれば、金を払って専門家の助言を得るのは、リスク回避手法の一つ。
【リスク転嫁】
リスクが発生した場合の責任を第三者へ移す。例えば損害保険はリスク転嫁の一つ。自分が他人に怪我させてしまった場合、賠償金支払いを引き受けるのは保険会社です。
【リスク軽減】
リスクの発生確率とリスクが発生した場合のインパクトを受容可能なレベルに抑えること。例えば安物を買って品質悪いものを飼うよりは、ある程度高給で信頼できるメーカーの製品を買えば、ババを引く確率は減らせます。
【リスク受容】
リスクを受け入れて対応策をとらないこと。(ただし適切な対応策が見つからない場合に限る。)
冒頭の話に戻ります。人から「リスクを取れ」と言われた場合、ホイホイと「リスク受容」を選んではいけないんです。
リスク受容はあくまで、他の3つの手法に該当する具体的なリスク対策方法が見つからなかったときだけです。
一度聞いてみてもいいかもしれませんね。誰かに「リスク取れ」と言われたら、「回避・転嫁・軽減・受容ってあるけど、ちゃんと考えて喋ってんの?」て ww
リターンを得るにはリスクを取る必要がある。これは同意。
でも、リスクに対する対応はちゃんと体系的な方法があるわけで、それをすっ飛ばして「受容」を選べばほぼ間違いなく撃沈です。
リスクをとってイイのはよぉ〜、やることやってからやでッ!!(ええこと言うた)
私の考えでは、投資でインデックス・ファンドを選ぶのは「リスク軽減」。理由はシャープレシオ (リターン/リスク)が最大になるポートフォリオだから。