金融工学

S&P500リターンの確率分布から分かるリターン5倍以上の確率。

投稿日:2021年9月10日 更新日:




 

前記事からの続きです。

S&P500指数がリスク20%・リターン7%の幾何ブラウン運動に従うと仮定、その際のリターンの確率分布は下の通りです。

確率分布の形は分かったと。ではリターンが2倍とか3倍とかになる確率は一体どれくらいあるんだ?というのが知りたい。

確率分布を積分すると「あるリターン以下の確率」や「あるリターン以上の確率」を知ることができます。

上の確率分布をもとに元本割れ確率 (=リターンが1倍未満の確率)とリターンが2倍~5倍を超える確率を可視化してみます。

 

Sponsored Link



 

結果がコチラ。

元本割れ確率は年数が経過するごとにゆっくり減少していきます。20年後なら14%。

2倍を超える確率は20年後に62%。

3倍を超える確率は20年後に45%。

4倍を超える確率は20年後に32%。

5倍を超える確率は20年後に24%。

5倍を超える確率が20%を超えるのはアツいですね。

もっと低いと思っていましたが幾何ブラウン運動モデルで計算すれば予想より高いことが分かりました。

 

関連記事:

S&P500に「72の法則」を適用して「10年後に元本2倍」のウソを確率分布で説明する。

 

 

Twitterでブログ記事の更新通知を受け取れます:

 

記事が役に立ったらクリックお願いします↓

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-金融工学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

インデックス投資やるなら知っておくべき | 現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説

  私が現代ポートフォリオ理論に興味を持ったのがインデックス投資を始めてしばらくしてからです。 インデックス投資を始める前に読んだいくつかの書籍には、「インデックス投資が最も効率的な投資であ …

S&P500の積立投資でリターンの確率分布をどう計算するか?

  過去記事でS&P500のリターンの確率分布をグラフ化したものを紹介しました。 S&P500指数がリスク20%・リターン7%の幾何ブラウン運動に従うと仮定、その際のリターンの確率分 …

現金:S&P500の最適比率が分かる早見表 (マートン問題と相対的リスク回避度で計算)

  過去記事でS&P500に投資した際の最適比率を計算する方法を、マートンのポートフォリオ問題を用いて説明しました。 マートン・社畜の式: S&P500の最適比率 = 1.7 …

資産いくらまで増えたら追加投資をやめるか?

  どうして銀行預金せずに株や投資信託に投資するかというと、資産を増やしたいからです。なぜ資産を増やしたいのかというと、資産が多いほど使える金が多いからです。当たり前ですね。 私の保有資産の …

ポートフォリオ最適化。マートン問題を数式なしで解説する。

  前回の続きです。 「ライフサイクル投資術」の計算ステップを書き換えてみると、 (1) 下のグラフからRRA (相対的リスク回避度)を求め、 (2) リスク資産のリスク・リターンから最適レ …

サラリーマンが全資産の95%をインデックスファンド(S&P500・オルカン)で運用中。2024年に億り人達成!ブログで様々な投資シミュレーションを紹介!

お問い合わせは:こちら

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ