資産運用 金融工学

myINDEXで効率的フロンティア曲線を見てみる。

投稿日:2021年3月5日 更新日:




 

現代ポートフォリオ理論では効率的フロンティアという考え方があります。

効率的フロンティアとは、色んなリスク資産を組み合わせてポートフォリオを作ったときに、あるリスクに対して最大のリターンを得ることができるポートフォリオの集合のことです。

上の図はみずほ証券のサイトから引用。オレンジ色のラインが効率的フロンティア。つまりこのラインにのるポートフォリオは効率的、つまり同じリスクでも高いリターンを得ることができるわけです。

じゃあ、そんなポートフォリオってどうやって作るのよ?と疑問が出てきます。myINDEXを使うという手があります。

 

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おそらくインデックス投資をしている人の中にはmyINDEXを使ってポートフォリオを作っているひとも多いと思います。

myINDEXの面白いところは「みんなのポートフォリオ」という機能で多くのユーザーが自分のポートフォリオを登録しているという点です。

これを言い換えると、株・債券・REITなどを色んな割合で混ぜてつくったポートフォリオがリスク・リターン上でプロットされている、ということです。ということは、効率的フロンティア曲線が見えるのでは?という気がします。では見てみますか。

下の図は現時点での「みんなのポートフォリオ」です。約12万件のポートフォリオが登録されているようです。

下の図はオリジナルのグラフに赤い線を加えたもの。これが効率的フロンティア”っぽい”ものです。

“っぽい”と言っている理由は厳密にイコールではないからです。厳密な効率的フロンティアは考えうるすべての組み合わせをプロットして決める必要があります。ただし12万件とかなり多いサンプルが登録されているので、赤い曲線が効率的フロンティアにかなり近いと言えそうです。

 

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ためしに効率的フロンティアに乗るリターンが8%のポートフォリオを見てみましょう。それが下のポートフォリオ。

リターンが7.9%に対してリスクが9.8%と感覚的にはかなり低いです。

もうひとつ例を見てみます。それはリスクが同じでも効率的フロンティア曲線よりもずっと下にあるポートフォリオのこと。

同じリスクでもリターンが3.1%しかありません。つまり、これは全然効率的ではないポートフォリオです。

myINDEXを見る限り、各資産のリスクとリターンは過去20年の平均値をs使っているようです。ということはリスクとリターンが変われば効率的フロンティアのポートフォリオも変わります。

もしもmyINDEXの効率的フロンティアを使ってポートフォリオを作るなら、毎年1回は見直してポートフォリオを組みなおすのがいいと思います。つまりリバランスですね。

 

効率的フロンティアの詳細は「ファイナンス理論入門」が詳しい:

投資本買うより「ファイナンス理論入門」をすすめる理由。

わざわざmyINDEXを見なくても勝手にやってくれるのがWealthNaviですね:

WealthNaviのアルゴリズムを読むべし。現代ポートフォリオ理論に基づいてキッチリ分散。

 

現代PF理論の解説記事です:

インデックス投資やるなら知っておくべき | 現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説

 

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都内在住JTC勤務の30代サラリーマンです。全資産の95%をインデックス投資で運用しています。2024年3月に1億円を突破。世界経済の継続的成長を願いS&P500とオルカンで運用中。NISAとiDeCoをフル活用。

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