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リスク (神々への反逆)ピーター・バーンスタインの書評。リスクマネジメントの歴史を理解できる良書。

投稿日:2021年4月22日 更新日:




 

過去記事からの引用:

インデックス投資を開始して2年半近くが経過しました。

投資を始めた当初は、投資関連の書籍やニュース記事を読むことで経済や金融に詳しくなることを資産運用の副次的な効果として期待していました。

ですが、実際に時間が経過してみて、経済や金融の知識を得ると言うよりも、別の側面で得るものが大きかったと思っています。それは「将来が予測できないという不確実な世界でどのように行動すべきか」という考える癖をつけることができたという点です。

私が投資で学んだことは「不確実性への対処方法」。リスク管理は仕事・生活に応用出来て汎用性が高い。

 

リスク管理方法が過去にどのように発展してきたのか、改めて勉強してみたいと思ってたどりついたのがこの本。ピーター・バーンスタインの「リスク」。

 

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本書は、未来を現在の統制下に置くためにはどのようにすべきか、という点について非凡な考え方を提示してきた人々について語っている。リスクをどのように理解し、またどのように計測し、その結果をどのようにウェートづけるかを示すことによって、彼らはリスクを許容するという行為を今日に西側社会を動かす基本的な触媒行為に変えていった・・・

将来に何が生起しうるかを定義し、代替案の中からある行為を選択しうる能力こそが現在社会の中核に存在すべきものである。リスク・マネジメントによって、多岐にわたる意志決定問題について指針が与えられることになる。

富の分配から公衆衛生に至る問題、あるいは賃金闘争から家族計画に至る問題、保険料の支払いからシートベルト着用に至る問題、はてはとうもろこし栽培からコーンフレークのマーケティング問題まで、多様な問題に指針が与えられることになる。

太字の部分に注目。言うまでもないですが、リスクマネジメント手法が発達してきたことで、意思決定方法が科学的になっていったんです。

リスク対応能力を備え、リスクを取りながら将来に向けて選択することこそが、経済システムを発展させるエネルギーなんです。

本書には現在ポートフォリオ理論を提唱したマーコビッツも登場します。(ここが個人的には一番おもしろい)

・・・ハリー・マーコビッツが、全ての卵を1つのカゴに盛ることがなぜそれほどリスクーな戦略なのか、そしてまた投資家や企業経営者が分散投資をすることがなぜ最もフリー・ランチに近い戦略であるのかを数理的に明らかにした。

この啓示こそが世界の証券投資、企業財務、あるいは経営意思決定に一大革命を惹起する知的活動の引き金になった。それは今なお、影響を与え続けている。

リスクマネジメントの歴史、現代ポートフォリオ理論の歴史に興味ある方に本書をおススメします。

 

私が投資で学んだことは「不確実性への対処方法」。リスク管理は仕事・生活に応用出来て汎用性が高い。

インデックス投資やるなら知っておくべき | 現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説

 

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