本屋で投資関係の本をさーっと立ち読みした中でも、冨島佑允氏のファイナンス理論入門はとびぬけた良書だと思ってます。ちなみに本書は購入済み。
とにかく知性が滲み出ています。数字の裏付けがないポエムみたいな本は多いですが、この本は希望の光ですよ。
筆者は物理出身でメガバンクのクオンツや外資系生命保険会社の運用部門を経験してきた金融のプロ。
素粒子出身なので数字に強いのは言うまでもないのですが、ファイナンスの基礎であるポートフォリオ理論の説明はとても分かりやすいので、理論に興味がある人には本当におススメ。
そもそも「なんでファイナンスなんて学ぶ必要があんの?」ってことにもこの本は答えてくれてます。
運用について基本的な知識を持たずに相談に行くのと、本書に書いてあるような内容を知った上で相談に行くのとでは、証券会社・銀行やファイナンシャルプランナーの態度も大きく変わってくるでしょう。そういう意味で、本書の知識は自己防衛の手段として大いに役立つと思います。
パッシブ運用がCAPMから生み出されたもので、分散が効いた効率的な投資戦略であることを知ってる人に、手数料が高いアクティブ運用や複雑な投資商品をむやみに勧めるのは、証券会社の営業担当としてもやりづらいと思います。そういう、“やりづらい”顧客になることが、より良い資産形成をする上での第一歩となるのです。・・・
ポートフォリオ理論には様々な考え方が含まれますが、大切なのは、それらのアイディアを吸収し、どのようなポートフォリオを構築すべきかについて、自分なりの視点で考えられるようになることです。
いいですね。この「やりづらい顧客」って表現が好きです。
あとは「どのようなポートフォリオを構築すべきか自分なりの視点で考える」というふうに考えを促している点。
時価総額加重平均だけでなく、最小分散ポートフォリオやリスク・パリティ戦略も紹介することで、理論的背景をベースに複数のポートフォリオの選択肢があるんですよ、と提示してくれてます。良心的ですね。
私も過去記事で現代ポートフォリオ理論について書いていますが、「分かりにくくてに何言ってるか分からん」という人は本書を読むんでください ww
ただこの本に書いてることをダラダラとブログ記事に書いても芸がないので、私は巷の本には書いてないような幾何ブラウン運動の分析結果やレバレッジかけたときの確率分布などのマニアックな記事を書いていきます。
マニアックな記事:
記事が役に立ったらクリックお願いします↓