資産運用 金融工学

株式に債券を混ぜて投資する具体的な方法

投稿日:




 

S&P500やオルカンだけに投資する方法は楽チンですが、これだとリスクが高くて危ないという考え方もあります。ではリスクを下げるために債券をどう混ぜればよいのか?

私の考えはGPIFのポートフォリオをマネする、です。GPIFのポートフォリオの詳細は過去記事で紹介しました。GPIFポートフォリオの概要は次の通り:

このPFがよいと思う理由:

(1) 全部25%で分かりやすい。

(2) 名目リターンが4%、リスク (標準偏差)が12%。リターンは悪すぎずしかもリスクは抑えられている。

(3) 明確な目標をもとに論理的に設計されている。(具体的には、実質リターン1.7%を満たし、リターンの条件付平均不足率 (=名目賃金上昇率を下回るときの実質的なリターンの期待値)を最小化する)

(4) 年金積立金の運用を担うGPIFが設計したPFなので信頼性が高い。

(5) eMAXIS Slimシリーズなどを使って、個人でも安価かつ容易にPFを組める。

 

実際にS&P500とのリスク・リターンを比較すると:

S&P500: リスク 7%     リターン 20%

GPIF     : リスク 4%     リターン 12%

 

シミュレーションで20年後のリターンの元本割れ確率・リターン平均値・中央値を比較すると、

S&P500:  元本割れ確率 13%   平均値 4.1倍 中央値 2.7倍

GPIF:       元本割れ確率 11%   平均値 2.2倍 中央値 1.9倍

 

GPIFの方が元本割れ確率がわずかに下がります。中央値は大きく負けています。私ならS&P500 orオルカンでいいかな、と思いますが、元本割れを重視するならGPIF PFもよさそう。

 

参考記事:

GPIFの運用収益率だけみても意味がない。GPIFが掲げる「目標」を理解するのが大事。

米国S&P500を平均リターン7%・リスク20%の幾何ブラウン運動でモデル化する理由。

S&P500の積立投資でリターンの確率分布をどう計算するか?

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-資産運用, 金融工学

執筆者:

関連記事

ポートフォリオ最適化。マートン問題を数式なしで解説する。

  前回の続きです。 「ライフサイクル投資術」の計算ステップを書き換えてみると、 (1) 下のグラフからRRA (相対的リスク回避度)を求め、 (2) リスク資産のリスク・リターンから最適レ …

ブラック・ショールズ・モデルを一番分かりやすく書いた本を紹介する。

私が大学時代から愛読している本に長沼伸一郎氏の直観的方法シリーズがあります。 久しぶりに本棚から引っ張り出して「経済数学の直観的方法(確率・統計編)」を読んでいたんですが、唸りましたね。とにかく難しい …

リスク資産の最適な割合を計算するためのサミュエルソンの割合を説明する。

  前回の続きです。 株などのリスク資産を持っているとき、自分のポートフォリオ全体でリスク資産を何%にすべきか? そう問われれば「自分のリスク許容度に見合った割合にすべき」というのが教科書的 …

インデックス投資やるなら知っておくべき | 現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説

  私が現代ポートフォリオ理論に興味を持ったのがインデックス投資を始めてしばらくしてからです。 インデックス投資を始める前に読んだいくつかの書籍には、「インデックス投資が最も効率的な投資であ …

「サラリーマンは年金を10年受給すれば元が取れる」は本当か?

  NISAや確定拠出年金でシコシコ積み立てて老後の準備するのもいいですが、そもそも年金いくらもらえるのか?が気になります。 30年後の年金制度がどうなってるのかは予想できませんが、そもそも …

都内在住の30代サラリーマンです。資産の95%をインデックス投資で運用しています。2024年3月に資産1億円を超えました。

このブログではインデックス投資の利点、運用シミュレーションや金融工学の記事を公開していきます。

趣味はミニベロ

お問い合わせは:こちら

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ