金融工学

S&P500で30年後に資産1億円を築く方法とその達成確率

投稿日:




 

投資すると資産1億円がマイルストーンです。インデックス投資であれば、資産1億円を築く具体的な方法を計算で見積もれます。

インデックスファンドのリスク(価格変動)を無視すれば年利回りと年間投資額で算出できます。30年後の資産(評価額)が1億円となる組み合わせは次の通り。

米国S&P500は利回り7%程度なので、年間100万円投資すれば30年後の資産額の「平均値」は1億円です。もう少し楽観的に8.5%を想定すれば、年間75万円の投資で1億は達成できます。

上の結果はリスク(価格変動)を無視して単純に複利計算した結果です。実際のファンド価格はランダムに変動するので、価格変動の効果を取り込んだ予測が必要です。(その方法については過去記事を参照)

価格変動を考慮すると30年後資産の分布を計算できます。結果は次の通り。

横軸が資産額、赤い丸が1億円です。縦軸はその資産を達成する確率です。そして赤丸より右側の部分を積分すれば、資産1億を超える確率を計算できます。

その結果は、28%でした。つまり、

S&P500 (年利7%想定)に30年間毎年100万円投資すれば「平均値」としては1億円を超えるが、その達成確率は28%です。

ちなみに資産5,000万円なら達成確率は約60%です。50%を超えているのかなり確率は高いと思います。

 

参考記事:

米国S&P500を平均リターン7%・リスク20%の幾何ブラウン運動でモデル化する理由。

S&P500の積立投資でリターンの確率分布をどう計算するか?

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-金融工学

執筆者:

関連記事

「ライフサイクル投資術」の相対的リスク回避度グラフを効用関数を使って導出する。

  前回の記事からの続き。 「ライフサイクル投資術」では相対的リスク回避度 (RRA)を下のグラフから読み取れ、と書いています。 このグラフはどうやって作られたのか?「ライフサイクル投資術」 …

高配当株かグロース株どちらに投資するかはIRRを比較するべし。

  読者様から質問を頂きました。どうもありがとうございます。 高配当銘柄に投資するか成長が見込めるグロース株に投資するか、どちらが大きなリターンを得ることができるとお考えでしょうか?理由も教 …

S&P500投資の資産増加シミュレーションで暴落を取り入れるべきか?

  私はS&P500をリターン7%・リスク20%で色々とシミュレーションしてます。 資産運用シミュレーションでよくある手法は、価格変動を幾何ブラウン運動でモデルして投資期間に対する平 …

S&P500にレバレッジ3倍かけると元本割れ確率の減少が鈍い。【SPXL】【レバレッジETF】

  S&P500にレバレッジ3倍をかけるとレバレッジなしの場合よりもリターンの中央値が下がります。 過去記事より再掲。ちなみに中央値が最大化する最適レバレッジは1.75倍です。 中央 …

投資でよく出てくる単語「リスク許容度」を分かりやすく説明する。

    前回の記事では、リスクが大きいとリターンが高くなるチャンスも増えるが、同時に元本割れする確率も増えることを確率分布で説明しました。 (1)リターン7%・リスク20%:元本割 …

サラリーマンが全資産の95%をインデックスファンド(S&P500・オルカン)で運用中。2024年に億り人達成!ブログで様々な投資シミュレーションを紹介!

お問い合わせは:こちら

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ