資産運用 金融工学

S&P500投資でFIREするのにいくら必要かを破産確率で明らかにする。

投稿日:




 

「S&P500に6000万円投資してFIREしたときの破産確率をシミュレーションした。」のシミュレーションで分かった結果は、次の通り。

仮に40歳でFIREするとして、6000万円を死ぬまで取り崩しながら生活すると仮定すれば、40%の確率で破産することが分かります。

これは元金6000万円で検証した結果です。

言うまでもなく破産確率は、元金、投資期間、毎年いくら引き出すかに依ります。というわけで、いくつかのケースを組み合わせて表にしてみました。

元金:3000万円~1億円

投資期間:40年と50年

引き出し額:150万円/年~300万円/年

当然ですが元金が多く引き出し額が少ないほど、破産確率は減ります。例えば元金1億円で毎年150万円引き出すとすれば、50年後の破産確率は5%。5%程度ならほぼ安全との印象。

ちなみに、元金6000万円のときの50年後の破産確率を、年間引き出しごとに表示したのが下のグラフ。

300万円引き出すときの破産確率は55%もありますが、150万円引き出すなら17%まで減ります。年間引き出し額が50万円減るごとに、破産確率は約12%減るのがわかります。

で、「S&P500に投資するとして、FIREするのにいくら元金必要なのよ?」という疑問に対しては、

・FIRE後に何年間生きる見込みか?

・毎年いくら引き出す見込みであるか?

・破産確率何%を許容できるか?

ということになります。

たとえば、FIRE後は50年間生きる見込み、毎年200万円引き出す見込み、破産確率は10%までしか許容できないのであれば、FIREするのに1億円必要です。

一方で、FIRE後は40年間生きる見込み、毎年150万円引き出す見込み、破産確率は20%まで許容可能であれば、5000万円あればFIRE可能です。

つまり、上の表があれば、こういう定量的な評価が可能というわけです。

 

おすすめ記事:

S&P500に6000万円投資してFIREしたときの破産確率をシミュレーションした。驚きの結果とは?

破産確率で「S&P500インデックス投資でFIREできるか?」を検証する。

記事が役に立ったらクリックお願いします↓

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-資産運用, 金融工学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

家を買って株式投資するときの純資産変化

  前回の記事では「本当に家を買っても大丈夫か?と思ったら読む 住宅購入の思考法」の感想を紹介しました。そこではバランスシートに有価証券を含める場合、有価証券の価格変化も含めた方がよいと書き …

現代ポートフォリオ理論。分散投資でリスクが下がる理由を説明する。

  「卵を1つの籠に盛るな」というのは投資の格言。投資する際に複数の銘柄に投資することでリスクを下げることを意味しています。 ただし卵を複数の籠に持っただけではリスクを下げることはできません …

S&P500つみたて投資は一括投資より元本割れしやすい理由を数字で説明する。

  前回の続きです。 一括投資と比べてつみたて投資って何がありがたいのか?と聞かれれば、リスクを減らせるのがイイ!というのがザックリした(よくある)答えです。 ただし、この点はもう少し深堀す …

マートンのポートフォリオ問題で最適なリスク資産割合を計算する方法を説明する。

  前回の続きです。 マートンのポートフォリオ問題とは、「個人の期待生涯効用を最大にするように最適な消費と最適な資産の組み合わせを決定する」という問題です。 「期待生涯効用」が分かりにくいと …

レバレッジはリターンの中央値を下げる。3倍レバレッジが危険な理由を定量的に説明する。

  前回の記事では株価がランダムな動きをすると仮定すると、リターンの確率分布が対数正規分布に従うと紹介しましした。 ではランダムな動きをする株にレバレッジを加えるとどうなるか見てみます。レバ …

サラリーマンが全資産の95%をインデックスファンド(S&P500・オルカン)で運用中。2024年に億り人達成!ブログで様々な投資シミュレーションを紹介!

お問い合わせは:こちら

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ