人間の稼ぐ力を言い換えると「人間の将来にわたってキャッシュフローを生む出せる能力」です。これは不動産を考えると分かりやすいです。長期間にわたって安定して多くの家賃収入が見込める不動産は稼ぐ能力が高い。
ファイナンスの世界では「稼ぐ力」を「人的資本」と定義します。人的資本は「将来受け取る収入の現在価値」です。
以下のグラフは日本人の年齢別平均年収を示しています。22~60歳まで徐々に上昇し、その後減少、500万円程度で退職を迎えるイメージ。
22歳の新入社員が65歳まで働き続けるとして、この人の稼ぐ能力を計算してみます。割引率3%を適用して65歳までの収入の現在価値は1.2億円。これが「稼ぐ能力」。
年齢が高くなるほど稼ぐ能力は低下します。将来働ける期間が短くなるからです。同じ方法で45歳の稼ぐ能力を計算すると9000万円まで下がります。人的資本(稼ぐ能力)の推移を示したのが下の図です。
こんな数字何に使えるの?とも思えますが、実は資産ポートフォリオで自分がどれだけリスクを取っているのかざっくり把握するのに使えます。先ほどのように45歳の人(人的資本9000万円)が預金500万円、株式800万円を保有しているケースを考えてみます。
株式800万円は結構攻めているようにも思えますが、人的資本が9000万円と大きいので、株式の比率はたった7%でしかないと気付くことができます。
ただし、解雇されやすいとか業績が安定しない企業勤めの場合は割引率を高く設定して人的資本を算出する必要があります。その場合、PFにおける人的資本の割合が下がるので、株式比率が高まります。
参考:
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