資産運用 金融工学

何回も言いますが高配当株かグロース株どちらに投資するかはIRRを比較して下さい

投稿日:2020年10月17日 更新日:




 

読者様から質問を頂きました。どうもありがとうございます。

高配当銘柄に投資するか成長が見込めるグロース株に投資するか、どちらが大きなリターンを得ることができるとお考えでしょうか?理由も教えてください。

それでは回答させて頂きます。答えは簡単です。

前の記事にも書いていますが、投資の優劣を比較できるIRR (Internal Rate of Return: 内部収益率)を計算しましょう、ということです。そして高配当投資は配当への課税が致命的なので私ならやらない、というのがご質問への回答です。

IRRとは要するに「利回り」です。IRRは「何に投資するべきか」を判断するための有効な指標です。投資対象が株であれ太陽光発電であれ鉱山開発であれ、IRRは計算できます。

キャッシュフローをもとに計算する手法なので税金分のちゃんと考えて計算できます。だからIRRで投資方法を比較するのはとてもフェアだと言えます。

 

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IRRを計算するには各年度のキャッシュフローを書き出す必要があります。エクセルの表だと分かりにくいの図示すると分かりやすい。

下の図は配当率5%の高配当銘柄に1000万円投資して毎年配当を受け取るケースを考えます。株価は一定で10年後に配当を受け取った後に株を全て売却するとします。配当と売却益には20%課税されるとします。

このIRRを計算すると2.2%であることが分かりました。

次にグロース株に投資することを考えます。配当はゼロで年間5%で成長すると仮定します。初年度に1000万円投資して10年後に全て売却します。売却益には20%課税されます。

このIRRを計算すると2.7%であることが分かりました。

これはあくまで一例ですが、何が分かったかというと、

配当率5%の高配当銘柄は年成長率5%の成長銘柄よりもIRRが低いということです。なぜなら配当にかかる課税のためにIRRが押し下げられるからです。

高配当銘柄は「減配リスク」と「株価が下がる」という2つのリスクがあります。この場合、IRRはさらに下がります。

成長銘柄も「株価が下がる」リスクがありますが減配リスクはありません。だからリスク項目数で単純比較すれば、成長銘柄は高配当銘柄よりもリスクが少ないと言えます。

上の挙げた例では年成長率5%と控えめにしましたが、S&P500ですら7%程度の成長率なので成長株の成長率をもっと高めに見積もってもいいかもしれません。仮に成長率10%するとIRRは7.6%です。株価の上がらない高配当銘柄の2.7%と比較しても差は歴然だといえます。

高成長株の極端な例はAmazon株ですと、2010年~2020年の年成長率は34%でした。このときIRRは31%にもなります。

 

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というわけでまとめです。

大事なことを繰り返しますが、高配当株とグロース株どちらに投資するか迷っているならそれぞれのIRRを計算して比較してください。

そのときに必要なのは、配当率と年成長率を仮定してみることです。「高配当」というからには5%程度を想定すればいいと思います。そして「グロース」というからにはS&P500相当かそれ以上の年成長率を仮定してみればいいのです。

仮定する数値の妥当性は大事ですが、とにかく自分で手を動かしてIRRを計算してみようと私は言いたいのです。モデル立ててエクセルに数字を打ち込めば10分でできる作業ですからね。

もしも年成長率10%のグロースを候補として考えているのであれば、迷う間もなく高配当ではなくグロースでしょう。IRRが7.6%を超えるほどの配当率を出せる企業はもはや存在しないからです。

ところで、ここまでの議論で一つだけ意図的に省いていた項目があります。それは株価変動リスク (ばらつき)です。IRRの計算には配当と売却益しか考慮していません。リスクが抜け落ちているというわけです。

だから厳密にいうと、投資対象の選択においてはIRRとリスクの両方を考慮するべきでしょう。つまり、IRRが大きい方を選んでそのリスクが自分のリスク許容度に納まる範囲なのかを確認する。納まっていればその投資法を選べばよいと結論できます。

 

関連記事:

高配当 vs グロース vs インデックスのIRR比較した記事です。

【便利】IRRで投資の意思決定【ファイナンスの基礎】

 

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