フルインベストメントの定義:「投資信託などリスク資産を運用する際に、現金など安全資産はほとんど持たずに、ポートフォリオにおけるリスク資産の割合を高い水準に維持すること」
私の場合、ざっくり95%がインデックスファンド、残りが現金です。ほぼフルインベストメントといってよいレベルだと思いますが、いつまでもこの水準を継続するつもりはないです。
リスク資産の割合を決めるよくある方法は「100ー年齢」です。例えば30歳なら70%がリスク資産の割合の上限。この方法は分かりやすいメリットがあるとはいえ「どれだけリスクを取れるか?」という観点では少し物足りません。
過去の記事で紹介したマートン問題を使うと、許容できるリスクをもとにリスク資産を割合を計算できます。リスク資産をS&P500連動ファンドなら、1.75/RRA (Related Risk Aversion)で計算できます。RRAの詳細は過去記事を参照。
リスクに晒してもよい(資産が2倍になる確率と資産が1/2になる確率が50:50)の資産の上限を横軸、PFにおけるリスク資産 (S&P500)の割合を縦軸にとってプロットしたのが下図です。
例えばリスクに晒してもよい(資産が2倍になる確率と資産が1/2になる確率が50:50)リスク資産の割合が30%の場合、PFにおけるリスク資産の割合は約80%。つまり、全資産が1,000万円なら800万円をリスク資産で運用できるということです。ただし、50%の確率で800万円が1,600万円に倍増するか400万円に半減する可能性を受け入れる心構えが必要。
こう考えると、「100-年齢」の法則はあまり役にたたないように思えます。例えば年収が高く安定している場合、多額の相続が期待できる、などの場合は年齢に関係なく大きなリスクを取りやすいからです。
本題に戻ります。いつまでフルインベストを続けるか?
仮に「定年まで働き続け、生活費が手取りを超えない場合は、フルインベストを継続する」が正解になると思います。理由はリスク資産が半減しようが生活に影響がないからです。
とはいえ、勤務先が倒産する可能性だってあるわけで、そのような可能性があるなら当然リスク資産は減らすべきです。もし倒産してもすぐ転職できるスキルがあるなら、フルインベストメントは継続です。
こう考えると、収入を絶やさないスキルを身につけることがフルインベストメント継続の鍵になることが分かります。
参考:
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