以前の記事で「40歳でFIREするとして、6000万円を90歳まで取り崩しながら生活すると仮定すれば、40%の確率で破産する」というシミュレーションをしました。この際に引き出す額は毎年240万円でした。
ある年に収入が途絶えたとして、一定期間後に資産がゼロになる確率を破産確率と呼んでいます。破産確率の前提モデルは以下の通り。
・S&P500に全額投資
・リターン7%・リスク20%
・株価は幾何ブラウン運動する
・暴落はなし
引き出し額は定額としていましたが、よく考えると物価上昇を考慮した方がより現実に近づくと思ったのでモデルを修正します。つまり、
・毎年引き出し額は2%増加 (物価上昇を踏まえて)
という条件を追加します。
まずは、物価上昇を考慮しない場合の破産確率を再掲します。
次に、物価上昇を加味した破産確率を示します。
仮に6000万円でFIREし、初年度に300万円引き出し、2年目以降は2%引き出し額を増額すると仮定します。ちなみに税金20%引かれるので、初年度に使える額は240万円 (月額20万円に相当)。この場合、
40年後の破産確率は68% (物価上昇なければ47%)
なかなかシビれる結果です。
ちなみに1億円あれば余裕でFIREできそうな気もしますが、初年度400万円引き出し、2年目以降は2%増額する場合 (初年度に使える額は税引き後320万円)、
40年後の破産確率は54% (物価上昇なければ40%)
です。
下のグラフは、資産1億円でFIREした際の40年後の破産確率をまとめたものです。
ちなみに、以前「FIREした後だって収入ゼロにはならんだろ」というコメントをもらいました。仮に初年度生活費を年間300万円とすると、月間120万円を細々と稼ぐとして、残りは資産の取り崩し (200万円売却、税引き後180万円受け取り)で考えればよいでしょう。この場合、上のグラフによると、物価上昇を加味すると破産確率は18%なので、まあまあ高いです。
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