金融工学

米国S&P500の一括投資と積立投資を比較。積立投資でリスクを激減できる。

投稿日:2020年11月9日 更新日:




 

私は米国株式指数S&P500に連動するインデックスファンドに投資しています。

前回の記事で紹介しましたが、株価の動きは「ある一定の方向に動く」と「ランダムに動く」の2つの効果を考えてモデル化すると、リターンの分布を計算することができます。そのリターンの分布は対数正規分布となります。

ところで、一括投資 or 積立投資かどちらにすべきか?という議論をよく効きます。

その答えは簡単で、ハイリスク・ハイリターンを狙うのであれば一括投資すればよいし、ローリスク・ローリターンを狙うのであれば積立投資すればよい、です。

なぜ一括投資が積立投資に比べてハイリスク・ハイリターンなのか?理由はより多くの資産がより長い期間リスクに晒されるからです。前述のように株価変動モデルに従えば、リスクとリターンは投資期間が長いほど大きくなります。

一方で、積立投資の場合は違います。初年度に投資した分は大きなリスクに晒されますが、2年後に投資した分、3年後に投資した分・・・は徐々に晒されるリスクが小さくなっていくのです。だからリスクとリターンが小さくなるのです。

 

Sponsored Link



 

口で言うよりグラフで見せる方が早いので、計算結果を示します。S&P500 (年平均リターンが7%、標準偏差が20%)に20年間投資すると仮定して、初年度に一括で投資する場合と20年にわたって均等に積み立て投資する場合を比較します。投資総額は同じです。

リターンの比較:

リスクの比較:

20年後の平均リターン・リスク比較:

一括投資:平均リターン 306%  リスク 272%

積立投資:平均リターン 126%  リスク 33%

 

総投資額を100万円とすると、一括投資の場合は平均リターンは406万円、積立投資の場合は226万円になるということです。積立の平均リターンは約半分になることが分かりました。

一方で一括投資のリスクは272%で積立投資は33%。一括は積立の約9倍になりました。リスクとはリターン分布の標準偏差のことなので、一括だとリターンが激しくバラツクということです。

リスクの推移を見ると面白いことが分かります。積立投資の場合は全期間にわたってリスクが19%~33%の間で横ばいになるということです。初年度の投資は20年後に大きくばらつきますが、2年後、3年後・・・の追加投資は20年後のばらつきは少しづつ小さくなる。従って、全体から見るとばらつきが抑えられているのです。

なるほど。でも、一括のリスクが272%、積立のリスクが33%だと言われてもピンとこないでしょう。こういうときはリスクを元本割れ確率に変換すれば、リスクをイメージしやすくなります。元本割れ確率は別の記事で紹介します。

 

関連記事:

現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説しています。

インデックス投資やるなら知っておくべき | 現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説

 

記事が役に立ったらクリックお願いします↓

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-金融工学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

「72の法則」をリスク資産に適用するのは正しいのか?リターンの確率分布の観点から検証。

  資産運用するときに「72の法則」は元本を2倍にするための投資期間を計算できる法則です。以下は野村証券のサイトから引用。 金融商品に投資する際に、金利の複利効果により元本を2倍にする場合の …

暴落を取り入れたS&P500投資シミュレーションの方法。幾何ブラウン運動+ジャンプ過程。

  過去記事で書いたように、S&P500投資シミュレーションに暴落の効果を取り入れたシミュレーションをやってみます。 そのモチベーションは過去記事で書いたように、現実世界では暴落が発 …

S&P500インデックス投資でFIREできるか?を破産確率で検証する。

  「S&P500インデックス投資でFIRE (早期退職)できるか?」は個人的にとても気になるテーマです。 「できる派」の唯一の定量的な根拠は有名な4%ルールですが、「4%ルール」は …

インデックス投資やるなら知っておくべき | 現代ポートフォリオ理論を分かりやすく解説

  私が現代ポートフォリオ理論に興味を持ったのがインデックス投資を始めてしばらくしてからです。 インデックス投資を始める前に読んだいくつかの書籍には、「インデックス投資が最も効率的な投資であ …

レバレッジ3倍SPXLに投資するなら最大5年にするべきだと考える理由。ただし元本割れリスクは高い。

  米国S&P500の最適なレバレッジは1.75倍であることは前回の記事ですでに紹介しました。1.75倍以上のレバレッジをかけると時間とともにリターンの中央値が小さくなるためです。 …

チャンドラです。

都内在住の30代サラリーマンです。このブログではインデックス投資の利点、運用成績、運用シミュレーションや金融工学の記事を公開していきます。

自己紹介は:こちら

お問い合わせは:こちら


にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ