過去記事で紹介した、暴落を取り入れた幾何ブラウン運動のシミュレーションをS&P500の3倍レバレッジに適用してみます。
ちなみに私が知る限り、S&P500 3倍レバレッジ (SPXL)に対してポアソン分布を用いたジャンプ効果を取り入れたシミュレーションを行った記事や書籍は存在しないので、これはナカナカ面白い検証になると思います。
モデルは前回と同じですがおさらいします。
基本的な株価変動モデルである幾何ブラウン運動に加えて、暴落がポアソン分布に従うと仮定したジャンプ過程を考慮したシミュレーションを行います。このモデルに暴落の効果を取り入れた式は下のようになります。
以下は前提条件です。
年率平均リターン (μ):21% (S&P500を7%と想定。その3倍)
リスク (σ):60% (S&P500を20%と想定。その3倍)
期待暴落回数 (λ):0.1 (10年に1回暴落)
暴落の大きさ (ν):50%
暴落の大きさの標準偏差 (ξ): 5%
投資期間: 20年間
計算は20万回行いました。
元本割れ割れ確率:
S&P500 (暴落あり):18%
S&P500 x 3 (暴落あり):35%
リターンが2倍以上になる確率:
S&P500 (暴落あり):64%
S&P500 x 3 (暴落あり):54%
リターンが3倍以上になる確率:
S&P500 (暴落あり):50%
S&P500 x 3 (暴落あり):48%
リターンが4倍以上になる確率:
S&P500 (暴落あり):40%
S&P500 x 3 (暴落あり):44%
S&P500 3倍レバレッジ (暴落あり)とレバなし(暴落あり)を比べると、3倍レバレッジの元本割れ確率の高さが際立ちます。
確かに3倍レバレッジはリターン4倍以上を得る確率はレバなしより高いですが、元本割れ確率が35%もあるのが気になります。
ちなみに、20年間の暴落回数をシミュレーションした結果を示します。ジャンプ回数が2回未満となる確率がおよそ80%となることが分かります。
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