書評

「本当に家を買っても大丈夫か?と思ったら読む 住宅購入の思考法」の感想

投稿日:2024年7月5日 更新日:




 

「本当に家を買っても大丈夫か?と思ったら読む 住宅購入の思考法」を読みました。初めて家を買う夫婦のストーリー形式。とても勉強になったのでメモ。

住宅購入においては「居住性」と「資産性」の両方を考慮する必要がある。どちらを重視するかしっかり決めること。軸をぶらさない。

・健康で文化的な住生活を営む上で必要な住宅面積は25平米 x (1+ 世帯人数)。世帯人数は、5歳以下で0.5人、10代以上で1人でカウント。

住宅購入は事業計画と同じ。責任とリスクのコントロールが重要。

・家を買った方がいい人は「好条件で住宅ローンを組めて、資産性の高い物件を買って、5年以上は住む予定の人」(初期費用が高いので短期で売買するとペイしない)

・住宅ローンを組む場合、物件価格以外に諸費用がかかる(新築マンション:4~5%、中古マンション:7~8%)。

・中古マンションでは仲介手数料がかかる。法定上限は売買価格の3%+6万円に消費税のせた金額。新築マンションだと建物価格に対して10%の消費税がかかる。中古 vs 新築で費用面はさほど変わらない。

必ずバランスシートを作って購入後の純資産をチェックすること。ローンの返済ペースよりも家の価値低下のペースが速いと、純資産は減る。(※個人的にここはかなり重要と思う)

・価値の下落ペースが速い物件:自主管理物件、長期修繕計画がない、修繕計画が赤字。

統計によると資産性が高い物件は「駅から近い(10分以内)、総戸数が多い (30戸以上が目安)、人気のエリア or 再開発が行われるエリア」

・サッシの交換、テレビ付きインターフォン、宅配ボックスがついた物件は、時代にあわせた「積極的な管理」ができているので資産性を維持しやすい。

・戸建てよりマンションの方が手堅く資産性を保ちやすい。

・固定金利は10年債利回りと連動。変動金利は短期プライムレート(政策金利の影響をうける)に連動。固定金利が変わるからといって変動金利も上がるわけではない。(本書では変動金利を推奨)

 

感想:

かなり勉強になりました。私は賃貸住みですが、いつかは「家を買うべきか?」と自分に問う局面がくると思います。本書が強調している「自分は家に何を求めているか?」をしっかり考えて決断したいと思います。

投資ブログとして1つだけ指摘しておくと、「資産」を重視するのであれば、バランスシートに有価証券を入れたうえで将来の資産の変化を考えるべきだと思いました。

極端な話、ローンの頭金で1000万円入れると確かに返済額は減ります。ただし、その1000万円を平均7%の投資信託(S&P500またはオルカンを想定)に投資しておけば、20年後に大きな資産を築けたはず。その機会損失は見落とせないと思います。

参考:

家を買って株式投資するときの純資産変化

住宅ローンを借りながら資産運用できるか?

インデックス投資で資産が1億円を超えました。(投資6年目)

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執筆者:

 

都内在住の30代サラリーマンです。全資産の95%をインデックス投資で運用しています。2024年3月に1億円を突破。S&P500とオルカンで運用中。NISAとiDeCoをフル活用。

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