毎月の生活費が20万円の場合、資産6000万円をS&P500インデックスなどで運用しておけば、仕事やめても生きていける (FIRE)という考え方があります。
これは「4%ルール」という考え方から来ています。どんなものかというと;
・毎年、資産運用額の4%未満を生活費として切り崩していれば、30年以上が経過しても資産が尽きる確率は非常に低い
・「4%」は、アメリカの一般的な株価の成長率(7%)から物価上昇率(3%)を差し引いて計算されたもの。要は投資で得られる利益の範囲内で生活を続ければ、半永久的に資産が目減りすることなく生活ができる
・そして資産運用額の4%を1年間分の生活費として切り崩すということは、逆算すれば、元となる資産は1年間の支出の25倍が必要になるということ
原文を見てみると、1926年~1995年の期間で毎年資産を4%引き出すと仮定すると、30年間なら成功率 (資産が尽きず生き残る確率)は100%となっています。だから「4%ルール」なんですね。
なので、資産を6000万円で運用しておけば、その4%の240万円を毎年生活費として取り崩していけば資産が尽きることは「ほぼ」ない、というわけです。
細かいことを言えば、毎年現金化するのに20%の税金がかかるとか、日本は米国ほどインフレ進まないから5%とか6%ルールでもいいんじゃないか?とかありますが、それはさておき。その他で私が気になるのは2点。
1つ目は、これまで毎月20万円で生活していたとして、FIRE後に生活費が上昇しないか?という点。
あくまでサラリーマン前提で言うと、日中は仕事に張り付いているわけで金を使う暇がないわけですが、仕事を辞めると金を使うチャンスが一気に増える気がします。あくまで私の経験ですが、平穏時より激務時期の方が明らかに支出が多いんです。
加えて、国民年金保険料 (年間約20万円)も効いてきますね。
2つ目は、資産増加の実感がなくなることへの焦り。
サラリーマンだと給与収入があるので、毎年生活費を引いた分だけ投資が出来ます。株価は長期的に見れば上昇傾向にあるうえに、株式に入金を続けるわけなので、株価変動はあれど、全体としては資産増加を実感することができます。
一方で、仕事を辞めると入金が減るので、資産から生活費を取り崩していくので、これまであった「資産増加の実感」から「資産減少への焦り」に移行する可能性が高い。それまで上昇気流に乗っていたのが急にエンジン切れるみたいなもんですからね。
とはいえ、なにがなんでもFIREしたいんだ、と言う場合は、副業で月10~20万円稼げる状態を作っておくのが1つの手だと思います。そうすれば、(1) 生活費上昇 (2) 資産減少の焦り は緩和できます。
なんだかんだで、自分で稼ぐ力頼み、ってことですね。
関連書籍:
FIRE後の税金・年金が分かりやすかった本。
普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門【電子書籍】[ 山崎俊輔 ]
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