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GPIFの運用収益率だけみても意味がない。GPIFが掲げる「目標」を理解するのが大事。




 

GPIF (年金積立金管理運用独立行政法人)の運用結果は開示されるたびにニュースになりますが、GPIFが何を目標として運用しているのかをちゃんと語っている報道は実はすくないんじゃないかな?と思っています。

株価なんて上がることもあれば下がることもあるわけで、ある時期の収益が前年比マイナスであったとしても、全体を見れば目標が達成できていれば問題ないわけです。

GPIFは長い報告書を開示してますが、そこにはこんな文言があります。

年金積立金の運用は、専ら被保険者の利益のために長期的な観点から安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって年金事業の運営の安定に資することを目的として行われます。また、厚生労働大臣により定められた「中期目標」においては、「長期的に年金積立金の実質的な運用利回り(年金積立金の運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたもの)1.7%を最低限のリスクで確保すること」が要請されています。

昨今の市場・経済環境は不安定かつ不確実性が高い状況でありますが、GPIFで重視しているリスクは、「市場の一時的な変動による短期的なリスク」のことではなく、「年金財政上必要とされている長期的な収益が得られないリスク」のことです。

GPIFの運用結果を見る際に、極めて重要な情報だと思います。

GPIFは長期的な運用で利回り最低1.7%が達成できないことが最大のリスクだと捉えているんです。

なぜならば、利回り最低1.7%を達成できないと、将来必要な年金を確保できないからです。

国民に年金を払えなくなる状況が最大のリスクであり、それを回避しながらも出来るだけポートフォリオの価格変動を抑えるように構築したのが現在のPFなんです。

 

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ところでYahoo NewsなどでGPIFの運用収益率が報道されると、必ずクソコメントが投稿されます。例えばコレ。

こんなことで喜んでてどうする。こういったいい時もあれば、必ず反対の局面もありうるってこと。国による壮大なバクチ。
年金などといった類のモノをこうした運用に晒すのはマジで危険すぎる。
それより堅実に国が元本の保証を確約すればいいはなし。

(収益率がプラスのときもあれば)反対の局面もありうる、というのは正しい。ただし、リスク資産で運用しないと年金は確保できないんだから、文句を言っても仕方がないでしょう。

ちなみにGPIFは色々リスク検証をやってるんですが、下がその1つ。

全額国内債券で運用した場合、必要な年金を下回る確率は100%だそうです。一方で現在の基本ポートフォリオで運用すれば、必要な年金を下回る確率は約40%なので、60%の確率で将来の年金を確保できるという計算になっています。

ある年は収益率がプラス、ある年はマイナス、で大騒ぎするのは視野が狭いでしょう。ポイントは、GPIFが運用利回り最低1.7% (毎年最低1.7%ではない)を目標としていて、それが達成できているのか否か?です。

ちなみに資料によると利回りは3.78%なので目標を大幅に上回っている点は理解しておくとよいでしょう。(というか20年間で利回り3.78%で運用してたらかなりお釣りがあるような気もしますね ww)

 

関連:

GPIFの運用目標とポートフォリオはちゃんと読みましょう ww

 

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