GPIFの運用資産が過去最高の169兆円に達したそうです。以下は日経の記事からの引用です。
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が7日発表した2019年10~12月期の運用実績は7兆3613億円の黒字だった。米中貿易協議が進展し、国内外の株式相場が上昇したことが貢献した。黒字は4四半期連続。19年12月末の資産残高は168兆9897億円となった。
GPIFのホームページって見たことありますか?年金制度や運用について色々詳しいことが載っていて勉強になりますよ。まさか年金は納めっぱなしで後は国にお任せってことはないですよね?もとはといえば汗水たらして得たお金ですよ。自分で運用する資産の運用方法は死に物狂いで考えるんだから、納めた年金の運用方法にももっと関心を持ちましょうよ ww とエラそうに言っておきながら、私もインデックス投資を始めるまで全く興味がなかった ww GPIFの運用方法を見てみましょう。
(1) 運用目標
(2) ポートフォリオ
(3) 運用成績
まずは運用目標から。
運用目標 = 賃金上昇率 + 1.7%
公的年金の収支のバランスは下の通り。収入は(1) 現役世代が納める保険料 (2) 国庫負担 (3) 年金積立金。支出は高齢者に支給する年金。(1)+(2)+(3)が支出とバランスするのですが、少子高齢化が進むと支出が増える。(1)と(2)を増やすと現役世代の負担が大きくなるので、(3) 年金積立金を増やすことで負担を軽減するように頑張る、という感じですね。すでに負担はジワジワ上がっている気がしますが ww
引用:GPIF
(3) 年金積立金を増やすには運用益を上げることが必要。ところで運用益は賃金上昇率より大きくする必要がある。何故なら給付金も賃金っ上昇に連動して増えるから。というわけで年金積立金は賃金上昇率に加えて+αの運用益が必要。この+αを1.7%としている。
ではこの1.7%をどのように決めているかというと、将来必要となる公的年金収入をもとに計算している。下の図によると将来の人口や物価・賃金上昇率を考慮していることが分かりますね。
引用:GPIF
次はポートフォリオを見てみましょう。ポートフォリオは下の通り。株式が50%占めているのでなかなか攻めたポートフォリオですね。
引用:GPIF
このポートフォリオをどのように決定しているかは各投資対象のリターン・リスク・相関係数と運用目標1.7%をもとに決めているようですね。
報告書を読むと専門家が色々なケースを考えながら難しい計算を色々やっているのが読み取れます。素人には全く分かりません ww
ちなみに私がよくあそんでいるmyIndexでポートフォリオのリスク・リターン計算ができます。やってみたところ下のような結果になりました。
引用: myIndex
では実際の運用成績を見てみましょう。GPIFの過去20年間の収益率は3.23%。myindexのだいたい一致しています。運用で損失出せば多くの高齢者が路頭に迷うというプレッシャーの中、3%以上の運用益を出しているというのはなかなかスゴイことだと思いますね。GPIFに感謝です。
というわけで色々見てきましたが、まとめると:
運用目標 = 賃金上昇率 + 1.7%
ポートフォリオは国株:国債:外株:外債 = 25:35:25:15
収益率は3.2%
将来年金を給付される人間として、これぐらいは覚えておきましょう。
各投資対象のリターン・リスク・相関係数・運用目標からポートフォリオを決める基礎的な考え方は「ファイナンス理論入門」にメチャクチャ分かりやすく書いています。これまでファイナンスの本は色々読みましたが、これが一番分かりやすかったです。参考書籍として紹介しておきます。
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