逆イールドの覚書。金利関係の本からの抜粋。
「アメリカの10年物国債利回りから2年物国債利回りを引いた金利差(イールドスプレッド)がプラスなら順イールド、マイナスなら逆イールド。(1976年以降の逆イールド発生から)しばらくしてすべて本当に景気後退が発生していることが分かります・・・景気後退予測ツールとしては驚異的な予測力」 ー (教養としての金利)
「長短金利差の1%割れは、ISM製造業景況指数の50割れを懸念すべき。長短金利差の0%割れは、景気後退局面入りの可能性大、1年後に要注意」 ー(金利を見れば投資はうまくいく)
(注:ISM製造景況指数の推移は米国景気の指標。50を超えると景気がよいと感じる人が多く、50を切ると景気が悪いと感じる人が多い)
順イールド:短期金利<長期金利(通常の状態)
逆イールド:短期金利>長期金利(投資家は、将来は今より金利が下がると予想)
1976年以降のイールドスプレッドを示したのが下のグラフです。灰色の網掛け部分が景気後退局面 (米国NBERが宣言)。確かに逆イールド発生後にタイムラグをおいてから景気後退が起きています。タイムラグはおおよそ2年以内。
引用:NASDAQ
実際にイールドスプレッドとS&P500指数を比較したデータが下。景気後退局面 (赤い四角)と指数が下がるタイミングはおおむね一致しています。(当たり前ですが)
引用:POEMS
最後に逆イールドが発生したのが2022年4月1日、現時点では景気後退局面にはまだ入っていません。
逆イールドの解消は短期金利の低下によって起きることが多く、過去の傾向によると「逆イールドは景気後退が始まる直前に解消」されます。
2023年~現在は、1年以上続いた逆イールドが縮小傾向にあるので、今年中に逆イールドが解消、指数の上昇も落ち着くかもしれない、という冷めた目を持っておきたいと思います。
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