私の会社では社内の様々な資料や記録をデータベース化するのが進んでいて、そのおかげで過去の色々な会議とか座談会とかの議事録を見れるようになりました。20年くらい前のものも見れるのですが、仕事の休憩時間に漁って読むのが結構面白い。
議事録の中で会社が求めている人材に対する議論が毎回出てくるのですが、だいたいどの年も言ってることが同じで面白いんです。20年前の議事録にも10年前の議事録にも、さらには1年前の議事録にもたいてい同じことが書いてあるんです。
10年目以下の若手社員の傾向として挙がっている傾向は次の通り。
<良い点>
・ 容量が良く仕事をこなすのが早い。
・ 語学能力、外国人とのコミュ力は高い。
<悪い点>
・ 考えぬく力が弱い。考察が甘い。
・ すぐに答えを欲しがる。
・「なぜか?」と疑問を抱かず鵜呑みにする。
・ 交渉にタフさがない。諦めるのが早い。
確かに似たような傾向は巷でもよく聞きます。私は年配のオッサンの説教を聞くのは嫌いです。とはいえ、たまにはオッサンの指摘を受け止めるのは有益だと思います。
例えば「交渉にタフさがない」という指摘は個人的にかなり耳が痛くて、確かにオッサンと同じ会議に出ると「このオッサン、タフすぎんだろ・・・」という人も結構多いんです。何回粘るんだと。でも実はこういうタフな人はハード・ネゴシエーターとして社内だけではなく顧客からも一目置かれるんです。
悪い点を謙虚に受け止めるとして、若手社員が何を考えてこのような傾向が顕在化しているのかというと、「コスパ重視マインド」が根底にあるような気がしています。
とにかく早く成果を出せ、言われて追い立てられる上にやることはたくさんある。でも就業時間は8時間と決まっているし残業はしたくない。
すると何が起きるかというと、とにかく仕事を捌いていくことに重きが置かれるわけです。分からないことは専門書を読むよりも人に聞くかググればいいし、1つのことを徹底的に調べたところで得るものは少ない(と考えているから)ほどほど調べて打ち切ってしまえばいい。
これ以上食い下がって交渉したところで勝てる見込みはない(と考えているから)諦めて譲歩しよう、と言う思考になる。自分で調べたりタフにネゴるのはコスパが悪いと考えてしまうわけ。
コスパはもちろん大切なんですが、コスパマインドを捨てて時間をかけてでも取り組むべきことがある、というのは覚えておいた方がいいと思います。ではどこでエネルギーを使うべきか?
それは自分のオリジナリティを出す部分ではないかと思います。資料、レポート、プレゼン、交渉、なんでもいいんですが、他人のコピーではなくて自説を展開する部分があるはずですが、やはりそこはエネルギーを注ぐべきだと思います。
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