私のお気に入りの和菓子屋があるのですが、その店は平日だろうが開店前であろうが常に1時間待ちの行列なんですよ。
もういつも長蛇の列。私が知る限り10年前からこんな感じです。いくら稼いでいるんだ??と思いたくなるほど売れに売れまくっているんです。
その店は広告を出していないし、SNSはもちろんホームページも出してないんですが、とにかく「あの和菓子といえばあの店」ということで地元の人はもちろん観光客にも評判。ためしに検索したらGoogleクチコミ3,000以上で星4.0超えでした。もはやバケモノです。
味はもちろん美味しい。とはいえ客を繋ぎとめるために新商品を出しているわけでもないし、同じ商品同じ味でずーっと提供してるんですが、それが支持されているんですよね。同じ味なんですけど客は全く飽きていない。しかも客はみんな、それがいいと感じている。
味がその和菓子屋に勝るとも劣らない店は周辺にたくさんあるのですが、人気度はその店だけ突出しているんです。不思議ですよね。
広告もないし同業の店もあるのになんで客をここまで繋ぎとめることができるのかというと、やはりその店が築き上げた名声なのだな、と思います。美味しい和菓子を何十年も変えずに提供しつづけるその姿勢が評価されているのだなと。名声あるがゆえに、並んででもあの店を菓子を食って満足感を得たいと人に思わせる。
ジャンルは違いますが、Appleも熱狂的なファンが多いことで有名でしょう。ただし、この和菓子屋とAppleに比べてさらに凄いところは、新商品を出さなくても客が来店し続ける点なんです。
同じ商品を同じ味で提供し続けることがひとつの価値になっている。これは凄い事ですよ。なぜなら新商品開発に金をかける必要がないから。
広告費ゼロ、研究開発費ゼロで稼ぎまくっているんです。そう考えると“名声”は最強の商売道具なんだなと思います。