経済学でよく使われるのがパレートの法則です。別名80:20の法則とも言われていて、「全体の数値の大部分は全体を構成する一部が生み出している」ことを言います。
パレートの法則に従う現象にはいくつかあります。例えば;
(1) 売上の8割は、全顧客の2割が生み出している。
(2) 商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。
(3) 売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
(4) 仕事の成果の8割は、使った時間全体の2割の時間で生み出している。
(5) 故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
どれもピッタリ80:20になるわけではないのですが、色々な統計データを分析すると、おおよそ80:20に従うことが分かっています。80:20というパターンが色々な分野で出てくるのは面白いですよね。
ここまで見るとパレートの法則は株式時価総額にも当てはまるのか見てみたくなる。おそらく従うんでしょう ww やってみました。
2020年10月中旬時点での米国時価総額ランキング上位は次の通り。GAFAMが圧倒的であることは前の記事でも紹介しました。
次にS&P500全ての企業に対してパレート図を作ってみたのが下のグラフです。
ここから主に何が見えるかと言うと:
(1) 時価総額全体の20%は3社 (アップル、アマゾン、マイクロソフト)が生み出している。
(2) 時価総額全体の30%は11社 (トップ3社に加えてフェイスブック、グーグル、ウォールマート、J&J、P&G、エヌビディア、マスターカード、ビザ)が生み出している。
(3) 時価総額全体の80%は148社が生み出している。その148社はS&P500全体の29.6%に相当する。
(3)に注目です。パレートの法則に従うと仮定すると、全時価総額の80%を上位20%の会社が生み出すことになります。実際のデータをみると上位29%が生み出していることが分かったので、パレートの法則はまあまあ当たっていると思います。これは面白い ww