チャンドラです。
私は大学受験に失敗して1年間の浪人生活を体験しました。
両親に予備校代を出してもらい1年間勉強を続けた結果、現役時に希望した大学に合格することができました。大学に合格したときは嬉しさよりも罪悪感でいっぱいでした。「本当に無駄なことをしたな」と。
今回は受験浪人することでどれだけ損するかを考えてみます。そして浪人を前向きに捉えるにはどうすればいいかを示します。
浪人するといくら損するか
1年間浪人すると現役合格するよりも社会に出るのが1年遅れます。社会に出るのが1年遅れると稼げる期間が減ります。何故なら(一般の人が)働く期間は定年までと決まっているからです。
それでは浪人する場合、現役合格する場合よりもどれだけ収入が減るかを計算してみます。
浪人すると1年間働く期間が減るので、日本人男性の平均年収 (500 万円)に税金分を引いて大体400 万円少なくなります。さらに予備校の費用は約100万円です。
これらを考慮すると、浪人する方が約500万円も損することになります。
私の場合は志望校にわずか5点足りずに浪人が決まりました。わずか5点です。たった1問だけ多く正解しておけば人生で500万円損することはありませんでした。
意義がある受験浪人とは?
受験浪人は無駄と言いましたが、必ずしもそうとは言い切れません。志望校のレベルを大きく変えるときがそうです。
例えば高校時代にクラブ活動に熱中して学業に時間が割けず浪人してしまった場合を考えます。そして浪人時代に猛勉強して東京大学に合格したとします。
これは意義がある浪人です。なぜならばこの人は高校時代に熱中したクラブ活動を通して、体力や楽器を弾く技術、プログラミング技術などを身に付けているからです。これらは金額に換算できないものの人生を豊かにするための要素と言えるからです。そして東京大学を卒業すれば(全員とは言いませんが)それなりに収入がよい企業に就職できます。つまり浪人期間に投資することで一時的な損を経験するけれども、高校時代に得たスキルと大学の肩書を利用すればその後大きなリターンが見込めるわけです。
一方高校時代にガリガリ受験勉強をして有名大学に僅差で不合格となり、浪人して現役時代と同じ大学に合格した場合はどうでしょうか?
この場合は上のケースほど意義はありません。なぜなら高校時代と浪人時代でやっていることが変わらないからです。前のケースでは高校時代は受験とは関係ないスキルを身に付け、浪人時代は有名企業への切符を手に入れる受験勉強に時間を割いています。つまり2つの異なる経験をしているのです。ところが後者では受験勉強しかしていません。浪人時代は現役時代に解けなかった問題をひたすらやって、解けない問題をひたすらつぶしていく作業をやっていくのです。そしてここで得たスキルは大学受験でだけ使えるもので、大学で学ぶ高度な学問や社会で直面する解答のない問題には役に立たないのです。
そして残念ながら私の場合は後者でした。
それでも浪人を前向きに捉える
私が通った大学は自然科学の分野ではノーベル賞受賞者を多数輩出する大学ですが、前述したように合格を素直に喜べませんでした。その理由は「総額500万円損した」ことよりも「無駄なことに1年かけた罪悪感」の方が大きかったように思います。「浪人制度が悪い」などと叫んで社会のせいにしたところで無駄です。高校時代の私は完全に競争に負けたのです。たった5点の差を埋めることができなかったのです。
では受験浪人を経験した人はこの罪悪感を感じながら生きていくのかといえば、そうではありません。これを糧にするべきです。そのためには「500万円という大金を無駄にした」「1年という時間を無駄にした」ことを真剣にとらえて、「大学時代や社会人時代に他人に負けないように一層勉学や仕事に打ち込もう」と前向きになるべきなのです。
500万円は大きな勉強代です。この勉強代を活かして自分を向上できるかどうかは、「大きな勉強代を払ったことに気付けるかどうか」次第です。
それでは。
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