「買ってはいけないテーマ型投資信託 – 行動経済学で考える投資の勘違い」
という記事が面白かったので引用。
インデックス型は市場の指数、例えばTOPIXや日経平均に連動を目指すタイプなのでとてもシンプルですが、アクティブ型は、それらの指数を上回ることを目指すタイプなので、値上がりの大きそうな銘柄をファンドマネージャーが選んで投資します。もちろん必ず指数を上回るわけではありませんが、目標としては平均を上回ることを目指しますので、どの企業に投資をするのか?というのが重要なポイントになります。テーマ型投信は市場全体に投資するのではなく、特定のテーマに沿った業種の企業に投資をすることになりますから、アクティブ型の一種です。
ここで注意しなければならないのは、アクティブ型は独自の運用方針に基づいて運用しますが、それは投資する基準を明確にしているということであって、投資する対象の母集団を狭めるという意味ではありません。具体的に言えば業種や規模やテーマは関係なく、その企業の利益成長性で判断すべきなのです。したがって、そのために重要なことは、そういった銘柄を数多い対象の中から選ぶことであって、選ぶ対象の母集団が大きいほど、良い銘柄を発掘できる可能性が高くなるのは当然です。
だとすれば、テーマ型投信のように投資する対象を母集団の段階から狭めてしまうというのは、どう考えても合理的な投資方法であるとは言えません。
ところが、テーマ型投信というのは常に人気があり、売り出されると多くの人が購入します。したがって、運用会社もさまざまなテーマ型投信を作って売り出します。過去にいくつもの失敗例がありながら、なぜそうなるのか?
その理由は“わかりやすい”ことと“販売しやすい”ことにあります。中でも最大の理由はわかりやすさです。AIやDX、5Gなどというテーマはテレビやニュースでもよく取り上げられているため、投資信託を全く知らない人でもなじみがあります。ということは、販売する側にとっても説明がしやすく、売りやすいということです。ただ、いくら言葉を聞いたことがある、あるいは、よく知っていたとしても、それが必ずしも上がるとは限らないのは当然です。「わかりやすいこと」と「儲かること」は別だからです。
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テーマ型投信に当てはめて具体的に言えば「株のことはよくわからないけど、AIや5Gはブームだし、あちこちでロボットも見かけるから、きっとそういうものを作っている会社は注目されるだろう」と言った具合に誰でも想起しやすいことから、関連する株も上がるのではないか?と感じてしまうというのが「利用可能性ヒューリスティック」なのです。
書き出してみると:
インデックス型:市場平均に連動。
アクティブ型:投資対象の母集団を狭めず、運用方針に基づいて運用。
テーマ型投信:投資対象の母集団を狭めて、特定分野の銘柄をかき集める。
じゃあ(私の主観も交えて)合理性という観点で見ると:
インデックス型:市場全体に投資して分散を図る。(時価総額加重平均なら)現代PF理論に則っている点で合理的。
アクティブ型:ファンドマネージャーが方針に基づいてポートフォリオを組成。(個人的にはアクティブ型は長期的にはインデックスに負ける確率が高いと思うけど、それはさておき。)
テーマ型:成長性がありそうな分野 (5GやAI)の銘柄をかき集めただけ。分散されているとは言い難い。
テーマ型は「分かりやすさ」という観点では優れてますが、伸びそうな特定の分野というだけで合理性はあまりないんですね。分かりやすさっていうのはある意味怖いな ww
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そういえばICLNとかQCLNの名前を聞かなくなりましたね。
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