会社に超優秀な社員がいるとする。彼の営業成績は常にトップクラスで上司からの信頼も厚く、部下たちからも尊敬されている。まさに会社の稼ぎ頭だ。当然ながら周りからの期待も大きい。しかもイケメン。皆が彼は将来出世すると信じている。
そんな彼はある事業所の所長に抜擢される。異例の人事だ。彼は意気揚々と事業所に乗り込む。ところが事業所の収益はふるわず、彼は1年で異動させられてしまう。周りの人はこう思う。彼はあんなに優秀だったのに・・・。もしかして彼は過剰評価されていたのではないだろうか。イケメンなら何でも出来ると信じていたのに・・・。
引用:statista
最新の米国企業の時価総額ランキングトップ5はMicrosoft, Apple, Amazon, Alphabet, Facebookの巨大ハイテク企業で占められました。私の生活を見回してもこれらの企業のサービスがないと生きていけないのは明白です。パソコンのOSはウインドウズ、検索エンジンはGoogle、買い物はAmazonです。(ちなみに私のスマホは中華、Facebookもインスタもやらないので、厳密に言えばAppleとFacebookはなくても生きていける)。
この5社が提供するサービスはもはやインフラの領域に達していて、市場の独占状態と言っても過言ではないでしょう。これらのハイテク企業に集中投資したくなりますよ。だって市場を牛耳っているんだから。。。
と・こ・ろ・が。私はGAFAMに個別投資はしていません。やってみたい・・・ちょっとだけでも・・・という思いを断ち切って。まだ飲んだことのないタピオカミルクティーのお店に入るのを思いとどまるかのように (←実話)。なぜかというと、冒頭のたとえ話のように、あまりにも期待され過ぎているから。
例えばFacebook。記事によると増収増益。でもコスト上昇により株価は6%急落。コスト上昇の要因はセキュリティ強化と言われています。
フェイスブックの株価は1月29日の2019年10〜12月期(第4四半期)決算の発表後、時間外取引で6%以上の急落となった。売上はアナリスト予想を上回ったが、投資家らはコストの急増を懸念した。
第4四半期の売上は前年同期比25%プラスの211億ドル(約2.3兆円)で、アナリスト予想の200億ドルを上回った。純利益も前年同期比7%増の73億ドルで、市場予測を上回った。しかし、コストも前年同期比で34%の上昇となり、社員数が4万5000人近くに膨らむ中で120億ドルに達した。これを受けて投資家の間に失望感が広がり、株価は下落。
これは一例ですが、GAFAMは大きくなりすぎて投資家からの期待が大きすぎると思うのです。期待が大きすぎるがゆえに、何かの要因で売上や利益が過去より少なくなれば、投資家は敏感に反応する。しかもフェイスブックの場合は増収増益なのに6%も下落している・・・。
あとは社会的責任。企業がデカくなればなるほど周りへの影響力も大きくなる。周りへの影響力が大きくなればなるほど、ちょっとしたミスが大きな批判を生み出すことになる。例えばネットのセキュリティ不備とか個人情報の漏洩とかデバイスの動作不良とか。当然そういったリスクを防ぐために大きなコストがかかる。
結果論ですが、私も10年前ならGAFAMに個別投資していたかもしれません。でも、もうGAFAMは巨大になりすぎて、あまりにも期待され過ぎていると思うのです。期待が大きすぎると、大きな結果を残さないと株価は上がりにくい一方で、ちょっとのネガティブな結果は投資家の大きな失望と大きな株価下落をもたらします。そう考えるとハイテク株への投資は踏み切れず、やっぱインデックスでええやん、と思うのです。
いやいやハイテク株って最高やん、という方はこちら↓