ベゾス氏退任の日経記事の中に書いてあたのですが、アマゾンの物流施設には「善意は役に立たない。仕組みが解決する」というモットーが貼ってあるそうです。
「軍隊的」ともいわれるアマゾンの社風はベゾス氏が両親から引き継いだ勤勉さがルーツのひとつだ。さらに金融機関に勤めている際に磨きをかけた現実主義が組み合わさる。「善意は役に立たない。仕組みが解決する」-。アマゾンの物流施設で目にするモットーが企業文化を象徴する。
確か発案はアムステルダムの空港だったと思うんですが、男子トイレの便器の周りに小便が飛び散りまくって掃除にコストがかかっていました。「トイレはキレイに使いましょう」なんて張り紙をしても効果はナシ。
そこで何をしたかというと、便器の中にハエの絵のシールを張ったんです。男性なら分かると思いますが、便器の中に標的があると面白がってそこに小便をかけたくなります。
便器の真ん中に標的が出来た結果、小便の飛び散りが減って掃除にかかるコストをかなり削減できたそうです。それを受けてハエのシールは他の国にも広がっていきました。
「便所を綺麗に使いましょう」なんて張り紙をペタッと1枚張っていても、人には響かないんですね。別に罰金を取られる訳ではないし、自分の家の便所じゃないんだから掃除係がキレイにしてくれるっしょ、と考える人はたくさんいるんです。
そこで「善意(=便所を汚したら他の利用者に迷惑がかかりますよ)」に働きかけるのをやめて、仕組み(=ハエに小便かけるのを面白がるという行動特性を利用してシールを張る)を導入したんです。ハエのシールなんて百円で買えますからね。
これは「仕組みが解決する」の見事な一例だと思います。ちなみにこれはナッジ理論の一つの例です。
他にも適用できそうですね。たとえば私が通勤時に使うエスカレータがあるんですが、「エスカレータは危ないので歩かないでください」と音声流したり張り紙貼っても誰も守ってないんですよね。「赤信号 皆で渡れば怖くない」てな感じで。
本気で守らせるなら音声流してもだけで、エスカレータの足載せるところの先端に小さい衝立をつけて歩いたら躓いて転ぶようにしておけばいいんですよ。これなら誰も歩こうといしません。(まあ物理的に無理なんですがね。。。)
ナッジ理論:ちょっとした仕掛で、相手の人物が自分の意志で行動するよう導く。行動経済学の概念の一つ。
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中国みたいに歩いた人の顔をモニタ画面でさらせばいいんじゃないかw
トイレについて、男子便所を廃止して、女性と同様のブース内に大便器を設けるというのは
いかがでしょうか?(回転は悪くなりますけどね。)
エスカレーターについては、右半分をスロープ状or段差を2倍にすれば、間違いなく人は歩こうとしないかと。
割と、そういう事を良く考えています。