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コロナ危機に対するエリザベス女王のスピーチは聞いておくべき

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イギリスのエリザベス女王が国民に向けてビデオメッセージを発表しました。女王の5分程度のスピーチを聞いて感じたこと。それは女王のスピーチが人を奮い立たせる要素を全て含んでいて、コロナ感染拡大の困難な状況で必要なのは、人の上に立つ人間からの力強いメッセージだということ。

※スピーチはyoutubeで見れます。全文を書き起こしたものはこのサイトで見れます。

 

スピーチに関しては個人的に強く印象が残っている出来事があります。

仕事である案件が開始されることが決まり、キックオフ・ミーティングが開催されたときのこと。顧客にとってもかなり重要な案件だったため、顧客含めて全ての関係者が会議室に集まってミーティングが行われました。

顧客は日本人と欧米人の混成部隊。トップは欧米人のオッサンでその人が壇上に上がってスピーチをはじめた。オッサンは、この案件が自分たちにとってどれだけ重要か、この案件がどれだけ難易度が高いか、この案件の開始が決定するまでに私の社内のチームが大きく貢献したことへの感謝、そして何としてもこの案件を成功裏に終わらせるために互いに協力していくことが最も重要だという内容を情熱的に語ったのです。

語り口は静かで、でも情熱的で、ユーモアを交えつつも格調高い言葉で語られました。プレゼンはシンプルで、アイコンタクト、立ち振る舞い、話すスピード、全てが完璧でした。「互いに協力していくことが大事」なんて綺麗ごと、ビジネスなんだから仕事が動き出せばお互い刺し合いが始まるに違いないだろう、という冷めた気持ちがあったことは否定できません。それでもあまりにもプレゼンが素晴らしすぎて、半泣きになりながら拍手をしたことをよく覚えています。

次に顧客の日本人のオッサンがプレゼンを始めました。その人は英語が流暢で、おそらく帰国子女で流れるような英語でした。見た目はコンサルのようで上品さが滲み出ていました。でも残念ながら話の中身があまりにもなさすぎで、この案件はとても重要でそのうち雑誌に紹介されるとか、そんな内容でした。

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欧米人のオッサンと日本人のオッサンで何故これほど差が出てしまったのか。話し方は両者とも甲乙つけがたかったのです。問題は内容。聞き手は彼らにサービスを提供する私たち。このミーティングの目的は「決起集会」なのだから、聞き手の琴線に触れる内容をスピーチしなければならない。聞き手の琴線に触れる内容を挙げてみると、

(1) 君たちがこの仕事を受け入れてくれて感謝してる

(2) この仕事を成し遂げるのは君たちしかいない

(3) 共に協力してこの案件を成功させよう 

の3つでしょう。

(1)は感謝の気持ち、(2)は尊敬の気持ち、 (3)は協同の表明 この3つを表明すれば聞き手の誇りはくすぐられる。間違いなく聞き手の心は奮い立つ。

一方で日本人のオッサンはこの3つのどれも満たしていなかった。それどころか雑誌にのるとかどうでもいい話をしていた。なぜどうでもいいかというと、雑誌に掲載されて人から注目されることで気持ちよく感じるのはオッサンだけで、聞き手の私たちには何の関係もないからです。

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話を戻してエリザベス女王のスピーチを見返すと、この3つの要素が全て含まれていることが分かります。

感謝:

“I also want to thank those of you who are staying at home, thereby helping to protect the vulnerable, and sparing many families the pain already felt by those who have lost loved ones.”

尊敬:

“I want to thank everyone on the NHS frontline, as well as care workers and those carrying out essential roles who selflessly continue their day-to-day duties outside the home in support of us all. I’m sure the nation will join me in assuring you that what you do is appreciated, and every hour of your hard work brings us closer to a return to more normal times.”

協同:

“Together we are tackling this disease, and I want to reassure you that if we remain united and resolute, then we will overcome it.”

決め台詞:

“We will be with our families again. We will meet again.”

 

人は物事を押し付けても動かないし、エサを垂らすだけでは根底にある意識は変わらない。威厳ある人間が「共に困難に打ち勝とう」というメッセージを発すれば人は奮い立つ。エリザベス女王は素晴らしいスピーチをされたと思います。そして女王のスピーチから学ぶべきものは多い。人の上に立つ人間が、困難に苦しむ人々にどんなメッセージを送るべきなのか、その全てが集約されているからです。

 

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執筆者:


  1. アバター のろのろ より:

    こんにちは。エリザベス女王のスピーチは「涙が出た」って感じだったのですが、この記事を読んで何かが決壊して号泣しました。チャンドラさんの記事の訴求力もパワフルです。感動しました。

    • chandra11 chandra11 より:

      コメントありがとうございます。

      人間は、これほど気品があって、心に訴えかけるスピーチができるとかと、衝撃を受けたスピーチでした。
      字幕を読みながらですが、動画の前でも頭が下がってしまう。そんなスピーチです。
      これが帝王学をたたきこんだ人間がなせる業なんだなと思いました。

      記事が参考になって嬉しです。

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