米国S&P500構成銘柄のセクター比率の推移を見てみます。目的は、各セクターが他のセクターに比べて相対的にどれくらい時価総額が増えているかを把握するためです。情報技術が一番伸びているのは容易に予想がつきますが、まあ見てみましょう。
下が1995年~2016年のデータ。(2018年に電気通信サービスが通信サービスに変更されたが、これは未反映。)
引用:BESPOKE
各セクターの割合[%]の推移をグラフにしたのが下の図です。情報技術 >金融 > ヘルスケア > 一般消費財 の順に割合が大きい。
面白いのが1995年の割合を1としたときに各セクターの割合がどのように変化したのかを示したのが下のグラフ。
実は1995年以降に割合を伸ばした(1.0を継続的に超えた)のは情報技術、金融、ヘルスケアだけです。エネルギーは浮き沈みが激しく、1.0を大きく下回ることもあれば0.5まで落ちることもあります。他の一般消費財や生活必需品などは、1995年以降に1.0を超えることがほとんどないことが分かります。
2020年のセクター別割合の順序は2016年から大きく変わっておらず、情報技術がウェイトをさらに上げています。個人的な予想だと、1995年以降に割合を緩やかに下げ続けた一般消費財や生活必需品などが今後割合を増やすことはないと思います。そうなる要素が思いつかない。
一方で情報技術には、AIや機械学習といった発展中で金を集める分野があります。人口増大により消費財分野などの需要が増すとしても、競争激化による生産性向上のために情報技術の進化に頼る部分がますます増える。そう考えると、やはり今後も情報技術のウェイトが他を引き離す傾向が続くと思います。