金融工学

米国S&P500の3倍レバレッジ。リターン中央値・平均値の乖離を歪度で検証する。

投稿日:




 

S&P500に3倍レバレッジを加えると中央値が下がると過去記事で書きました。

株価が幾何ブラウン運動に従って変動すると仮定した結果です。レバレッジをかければかけるほどリターンの平均は大きくなるんですが、逆に中央値は下がるんですね。直観に反しますが、これが数式から出した結果です。

言い換えるとレバレッジをかけるほど平均値と中央値は乖離していきます。それはリターンの分布を見れば分かりやすいです。下のグラフはS&P500に3倍レバレッジをかけて3年間運用したときのリターン分布。

グラフの右側に長い分布が見えます。このために平均値は大きくなるんです。ただしその実現確率は低い。だから一見、高いリターンが期待できると判断したくなるんですが、「ちょっと待て」となる。見るべきは中央値だろうと。

ところで、平均値と中央値の乖離を示す指標として「歪度」があります。歪度は (平均値 – 中央値) / (標準偏差)で表されます。歪度が大きいほどグラフは正規分布から崩れていき、平均値と中央値の乖離は大きくなります。

 

Sponsored Link



 

S&P500 (リスク:20%、リターン:7%)のリターン平均値・中央値・分布歪度の時間推移を見てみます。

まずは平均値。明らかにレバレッジ3倍で平均値は最も大きいです。

次に中央値。レバレッジ1.75倍のときに最も大きい。これは過去記事で紹介済みです。

最後に歪度。レバレッジ3倍の歪度は最も大きい。時間経過とともに歪度はますます大きくなります。時間が経てば経つほど平均値と中央値の乖離のスピードは上がっていくということです。

 

歪度という指標で平均値・中央値の乖離を見てみました。3倍レバレッジでは時間が経つにつれて乖離がますます加速するのが分かりました。

 

参考:

米国S&P500の最適なレバレッジが1.75倍の理由。だからSPXLの3倍は高すぎる

 

記事が役に立ったらクリックお願いします↓

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

-金融工学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

米国S&P500に最低何年投資すべきか?元本割れ確率をゼロにするには最低10年必要。

  インデックス投資するなら短期ではなく長期でやるべきです。理由は簡単で長く投資すればするほど高いリターンを得ることができるからです。 だから投資を始めるなら若ければ若いほどいい。理想的には …

S&P500 2倍レバレッジは暴落に弱いか定量的に分析する。幾何ブラウン運動+ジャンプ過程。

  過去記事で紹介した、暴落を取り入れた幾何ブラウン運動のシミュレーションをS&P500の2倍レバレッジに適用してみます。 2倍レバレッジは名著「ライフサイクル投資術」でも「レバレッ …

過去35年のアセットクラスでは新興国株と米国株が優秀。

  Visual Capitalistの記事に1985年~2020年の35年間における各アセットクラスの年率リターンが紹介されています。 この記事は株に限らず色々なリスク資産のデータを載せて …

【SPXL】S&P500に3倍レバレッジをかけて中央値が下がることが問題なのか?の定量的な説明

  読者様からレバレッジに関する過去記事について質問を頂きました。 記事の内容を要約すると、「S&P500の最適レバレッジは1.75倍。それを越えるレバレッジをかけるとリターンの中央 …

S&P500に6000万円投資してFIREしたときの破産確率をシミュレーションした。驚きの結果とは?

  前回の続き。 毎月の生活費が20万円の場合、資産6000万円をS&P500インデックスなどで運用しておけば、仕事やめても生きていける (FIRE)という考え方があります。 これは …

チャンドラです。

都内在住の30代サラリーマンです。このブログではインデックス投資の利点、運用成績、運用シミュレーションや金融工学の記事を公開していきます。

自己紹介は:こちら

お問い合わせは:こちら


にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ