彼のリストラ部屋は、ソニー13号館という不吉な数字を冠したビルにあった。正確には「御殿山テクノロジーセンター13号館」という。・・・
そこには50人ほどのリストラ要員がいた。時折、誰かがため息を漏らす。奇声を上げる者もいた。「アーーーーッ!」部屋中に響くその音を、何事もないかのように誰もが無視している。そして、また静けさが広がる。
そして社員が新たに収容されては辞めていく。だから頻繁にメンバーが入れ替わった。・・・
奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢【電子書籍】[ 清武英利 ]
ソニーの創業者である井深大は1969年1月、年頭経営方針でこう語っている。
「自分の働くところを、自分の才能をどう伸ばすべきかを本気になって考えて欲しい。自分の能力が最高に発揮できる、もてる力をフルに発揮して自分というものをさらに高めることのできる場所を探すのは、あなたの権利であり義務である。」
人に頼ってはならない。あなたのことをあなた以上に知っている人はいないのだ。
リストラ部屋なんてマジであるのか・・・怖いな・・・(ゴクリ)と思いながら読んでいたんですが、井深氏の言葉にインパクトがありすぎて完全に心をもっていかれました。
そう、そうなんですよ。人に頼ってはいけないんですよね。
それを理解しているからかリストラ部屋卒業者には起業して活躍している人たちも多いようですね。
井深大や盛田昭夫が建設したソニーという理想企業の夢は崩れ去ろうとしている。いまは、そのDNAを抱えて飛び立ったエンジニアの心のなかに、それぞれの理想工場がある。
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