チャンドラです。
どんな分野でも素人がプロに勝てる分野はほとんどありません。
例えば野球やサッカーなどのスポーツ。試合に勝つことだけを考えて日々肉体と精神を鍛えているプロのチームに、趣味で週末だけスポーツを楽しむ素人のチームが勝てることはほぼないでしょう。
同様に芸術や文学、学問の世界でも素人がプロより優れた作品や成果を出すことはめったににありません。
ところが、面白いことに素人がプロより高い成績を出せる可能性が高い分野があります。それが投資です。
ウォール街のランダム・ウォーカー
投資の世界には高い運用成績を出すために日々市場を分析しているプロのファンドマネージャーがファンドを開発して運用しています。ですがそのプロたちの運用成績よりも、素人でも運用できる市場の株式指標に連動するインデックス・ファンドに投資しておけば、高い成績を出せる可能性が高いのです。
名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」では次のように述べられています。
個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンドマネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと待っているほうが、はるかによい結果を生む。
1969年初めに1万ドルでS&P500インデックス・ファンドを購入したAさんは、全ての配当収入も機械的に再投資して、2014年半ばまで持ち続けたとしよう。その結果、Aさんの1万ドルは73万196ドルに増えたのだ。
一方、Bさんはプロのファンドマネージャーが運用する株式投資信託の平均を買って、持ち続けたとしよう。その結果は、50万ドル1470ドルである。
この差に注目していただきたい。2014年6月末の時点で、インデックス・ファンドがプロの運用する投資信託の平均を23万4726ドルも上回る結果をもたらしたのである。
株価の予測は難しい
インデックス・ファンドに投資してじっと待ち続ければプロのファンドマネージャーよりも高い運用成績を出せることは、とてつもなく重要な事実です。
そもそも我々サラリーマンは給料も上がらず、節約して貯金したとしても金利が低すぎるので資産は全く増えません。じゃあ投資して資産を増やそうとしても、何に投資すればいいのか全然わからない。
ところが、市場の株式指標に連動するという、手数料が低いインデックス・ファンドに投資しておけば、プロが開発した手数料が高いファンドに投資するよりも高い成績が出せるのです。
そもそもなぜ素人がプロに勝てるのかというと、素人だろうがプロだろうが未来の株価を予測するのが難しいからです。株価は数学や物理の公式で決定論的に記述できるわけではなく、企業の戦略や競争環境、国際情勢、投資家の動向など様々な要因で変動します。だから予測できないのです。
手数料が低いインデックス・ファンドに投資しておけば、プロが開発した手数料が高いファンドに投資するよりも高い成績が出せる。
これは素人投資家にとって福音です。
ちなみに金融機関で働くファンド・マネージャーは高給取りで有名です。careerexplorerというサイトによると、平均年収は1200万円です。数ある職業の中でもトップクラスであることは間違いないでしょう。ということは、
ファンドマネージャーの職に就き、そこで得た給料をひたすらインデックス・ファンドに投資するという離れ業
という方法が一番大きく資産を築けるのかもしれません。
それでは。
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