また質問を頂きました。どうもありがとうございます。
社畜様
いつも楽しく拝読しております。
質問させて下さい。出口戦略において、為替リスクはどのようにお考えでしょうか?
30代前半のサラリーマンです。現資産は1500万円、目標は20年後に1億でセミリタイアです。現在はVTを中心にインデックスファンドに課金する日々です。
最近は出口戦略について考えるようになりました。首尾よく目標を達成出来たとして、年齢を考えるとあまりリスクはとりたくないので、変動が少ない&年利3%程度を達成出来たらなと思っています。ひいては、ざっくりですが半分をインデックスファンド(VT等) 、もしくは債権ファンド (AGG等)にほぼ全額、という戦略を考えています。ただしいずれにしても為替リスクが大きいと思っております。
思いつくのは為替ヘッジをつけるかですが、割がとても悪いように感じます。または日本で優良のファンド をみつけるかですが……もしお時間あればお考えを聞かせて頂けないでしょうか?
社畜様、で笑ってしまいました。ありがとうございます、そうです、社畜です ww 一応、チャンドラというハンドルネームを使っているのですが全然普及しません。でも社畜でいいですよ ww
ちょっと情報量が多いので私の方で下のようにまとめてみました。私の方で想像して補っている情報もあるのであしからず。
(1) 30代前半のサラリーマン
(2) 現在の資産は1500万。VT中心でインデックスで積立中
(3) 20年後の55歳で1億でセミリタイアしたい
(4) セミリタイア後はリスクを減らして年利3%で運用したい。5000億をVTに変え、残りの5000億をAGGなどの債券ファンドにする。もしくは全てを債券ファンドに変えることを考えている。
(5) VTもAGGも為替リスクが大きいと思っている。為替ヘッジをつけるか悩んでいる。
<質問>セミリタイア後の為替リスクにどう対応すればいいか?
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質問に答える前にまずは質問者様の「20年後に1億円」というのが現実的な数字なのかを見てみましょう。質問者様はサラリーマンで現在働いていて収入の一部を投資にまわしている。そして、現在すでにVTなどで1500万円運用中。毎月いくらを投資に回しているかは分かりませんが、毎年200万円を積み立てれば現在の運用分もあわせて年利5%で運用すれば1億円は達成できることになります。従って、毎年200万円を出せるのであれば「20年後に1億円」は妥当な数字だと思います。
AGG (iシェアーズ・コア米国債券市場ETF)はmyINDEXによると過去15年のリターンが4.2%、リスクが3.7%です。VTのリターンは6.7%、リターンが14.8%とリスクがかなり高いことを考えると、リスク回避のために全てをAGGに変えてしまうのはアリだと思います。ですが気になるのは乗り換えのコストです。
セミリタイア後に1億円全て、もしくは半分の5000万円のVTをAGGに変えて、またそのAGGを生活費のための日本円に変えていくとすると、2回税金引かれることにならないでしょうか?具体的にはVTを売ってAGGに変えるときと、AGGを売って日本円に変えるときです。それならばセミリタイア後も1億円分のVTを保持して毎年取り崩していくか、5000万円分を債券ではなく現金に変えてしまって全体のリスクを減らすというのも手かと思います。myINDEXで日本円50%と先進国株50%でポートフォリオをくむとリターンは2.9%でした。日本円50%とVT50%でも3%程度になるのではないでしょうか?これなら質問者様のリタイア後のターゲットと一致しています。
最後に為替リスクですが、当然のことながら資産の大部分をVTとAGGで保有していれば、円高になるか円安になるかで資産は大きく振れます。ここでは投資の基本に立ち返って「分散」するべきだと思います。そう考えれば、上に書いたようにセミリタイア時に資産の半分を日本円に変えてしまえばいいのではないでしょうか?またはVT1億円を毎月チビチビ売っていくことで日本円に変えるタイミングを分散することで為替リスク分散にもなりますが、前者の方がリスクは低いでしょう。
というわけでまとめると、
(1) 20年後に資産1億円は達成可能
(2) VT1億円分の半分をAGGに変えるときの乗り換えコストは考慮すべき
(3) 為替リスクを考えればAGGに乗り換えずに日本円に変えてはどうか
(4) VTは時間をかけて売却していくことで為替リスクは分散できる
一点だけ。正直申し上げると(2)の乗り換えコストがどれだけネガティブに影響するか自信がありません。私も今後勉強したいと思いますが、一応その点、言及させて頂きます。
以上、参考になれば幸いです。
チャンドラ様
HN失礼しました汗
とてもご丁寧にご教授頂き、ありがとうございます!
ご指摘の通りで、乗り換えコストの視点は欠けておりました。今後はその点も考慮し積立戦略を考えていきたいと思います。
為替リスクは、やはりウルトラCはないですよね…。最終的には日本円、日本資産をそれなりに組み込むようにしたいと思います。
これからも勉強になる記事を楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
乗り換えコストは想定している年利と乗り換えのタイミングから利益を求めて計算できます。
シミュレーションしてみてどれくらいコストがかかるか自分で計算してみるのも楽しいと思います。
今回は質問いただきありがとうございました。