山崎元氏の「人生100年時代にFIREしたがる人の根本的な問題点」という記事からの抜粋。
「FIRE」を目指す若者について、少し心配に思うのは、自分の人的資本に対する投資が過小になっていないかということだ。
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例えば、若いときに、大学の学費を支払う、あるいは料理の修業でフランスに渡るといったことのために投資すると、その後の所得に対する損益は、生涯所得の増加を通じてかなり大きなものになることが期待される。
こうした、人的資本に対する投資は、スキルの取得のための通学のような狭義の教育投資にとどまらず、旅行による見聞や、良い芸術の鑑賞、美味しいワインを味わうこと、人間関係を拡大すること、など幅広い対象を持つと考えられる。
「若い時に学費なり修行なりに投資すると、その損益はかなり大きなものになると期待できる」というのは同意なんですが、私が思うにポイントは「期待できる」が「確実ではない」という点。
どんなものにもリスクが存在するので、自己投資も結局はリスクがあると思うんです。
つまり、100万自己投資したところで生涯所得が1000万円増えるのか全く増えない(つまり100万失っただけ)かは分からない。自分次第だということ。
例えば手元の100万円をS&P500に投資するとします。過去記事に書いてますが、そのリターンはある程度、定量的に予測できます。下のグラフを参照。
一方で、自己投資の場合はていりょうてきな予測が難しい。
というわけで比較してみると、
自己投資:リターンの定量的な予測が難しい。結果は自分次第。
金融資産への投資:リターンの定量的な予測が可能。結果は市場指数 (または運用者)次第。
つまりこう言えるんじゃないかと思うんです。
自己投資が向いている人:そもそも株などにリスク資産への投資に抵抗がある。自分の能力を高める自信が大きい。
金融資産への投資が向いている人:リスク資産への投資に抵抗がない。リターンの定量的な評価が出来る方が安心。自分の能力を高める自信が小さい。
別にゼロ百で考える必要もないし、多くの人は意識的にもしくは無意識的にハイブリッド型を採用していると思います。違うのはその比率でしょうね。
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