不動産や株式投資で資産運用するサラリーマンが増えています。資産運用するうえで重要なのはリスク分散です。例えばある特定の企業の株だけに資産の大部分をぶち込んだ場合、資産の増減がその企業の業績だけに大きく依存してしまうのでリスクがとても高い。この場合複数の企業に投資することで、リスクを分散することができます。
そこでふと考えたのですが、株式でリスク分散する人は多くいても、自分の本業も含めてリスク分散している人は意外に少ないのではないか。
つまり本業もポートフォリオの一部としてリスク分散する必要があるのではないか、ということです。
下の図でいうと、本業で得る現金が黄色い部分に該当します。
例えば私が化学系の企業に勤めているとします。化学企業の業績は原油の価格に影響されやすい。なぜなら原油は石油化学製品の原料となるからです。中東情勢が緊迫して原油価格が上がれば原料調達コストが上がるので、私の会社の業績が圧迫されます。このとき給料かボーナスが減る可能性が高い。
このとき、私が石油開発を手掛けるエクソン・モービルやシェブロンの株に投資しているとします。原油価格が上がればこれらの企業の株価は上がる傾向にある。従って本業では給料やボーナスが下がっても、株式投資では資産を増やせていることになるます。これがリスク分散です。
個別株に投資する際は自分がよく知っている業界の企業に投資してしまいそうになります。例えば資源開発系の企業で働いて収入を得ている人が、「なんとなく」エクソン・モービルやシェブロンに投資した場合、原油安に直面すると本業でも投資でもダメージを負ってしまう。だから自分の会社の業績と相関性が低い業界の株に投資することで、本業も含めたポートフォリオへのダメージを抑えることができるというわけです。
下の図は米国の各業界株価の相関性を示していますが、これを見ればどの業界の相関性が高いか調べることができます。エネルギーセクター (XLE)と相関が低いのは公益事業セクター (XLU)ですね。
とはいえ、各業界の相関とか調べるのが面倒くさい私のような人はインデックス・ファンドに投資しておけばいいと思います。市場の株式指数に連動するインデックス・ファンドなら様々な業界の企業の株価が取り込まれているので、細かい相関分析せずともリスク分散されていますからね。
米国のような海外株式インデックスに投資することでさらにリスク分散できます。例えば地震のような日本の地域特有の局地的なリスクが発現して私の本業収入が大きく下がったとしても、それが海外株式市場に与える影響は軽微だからです。
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