そういえば前記事を書いていて気が付いたんですが、「金融機関で投資信託を買う」とは、「金払ってリスクを買う」と言い換えることができます。
再度「投資初心者は投資信託より株を買いなさい」という記事からの引用。
「ではリスクが少ない投資信託でもひとつ買ってみよう」となる。でも、私に言わせれば、投資信託はやめたほうがいい。
なぜなら、投資信託は自分で運用する投資商品ではなく人任せなので、リスクを取るという感覚が育ちにくいからです。ですから、投資したいなら小額でもいいから株式投資のほうが、リスクというものがどういうものかを学べます。
金融機関に行くと、「初心者は、株よりも投資信託がいい」と勧められますが、それを鵜呑みにしてはいけません。かつて、ITバブルの絶頂期の2000年に、野村証券が100周年記念で社運をかけて「ノムラ日本株戦略ファンド」という空前の規模の投資信託を売り出しました。当時、1兆円ファンドともてはやされたので買ってみましたが、見事に約40%も目減りしました。これで初心者が、かなりダメージを受けたとおもいます。
けれど、金融機関は、いまだに儲けています。なぜなら、投資信託では、買った人が損をしようが儲けようが、手放さないあいだは、金融機関には多くの商品の場合、信託報酬という手数料が確実に入ってくるからです。
投資信託の評価額は当然変動するのでリスクがあります。
金を払って投資信託を買うということは、信託報酬という手数料を払って無リスク資産をリスク資産に交換するということ。
その時点で投資家は、手数料を取ってでもリスクをとる、つまり資産のボラテリティを受け入れる意思を表明したことになるわけです。
ところが、元記事に書いてるように「投資信託だとリスクを取る感覚が育ちにくい」というのは、リスクを取ることを表明したことにすら気付いていないということになります。
すると、「投資信託より株を買え」とか「株より投資信託を買え」とかそういう領域の話ではなくて、結局誰がどういうリスクをとっているのか?というリスクマネジメントを理解するのが重要なのではないかと思えてきます。
関連記事:
記事が役に立ったらクリックお願いします↓