資産運用 金融工学

投資で過去のリスクとリターンで分析することに批判があるが、そこは割り切るしかないと思う理由

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私は米国S&P500指数に連動するインデックスファンドに投資しています。その理由は過去の実績 (リスク: 20% リターン: 7%)が自分にとってリスク許容度内だし、高リターンだと考えているからです。

金融工学ではリスクとリターンを使って様々な分析を行います。これらを数式に代入すれば、あるトータルリターンを超える確率や元本割れ確率を計算できます。

ところで、この考え方には当然次のような批判が出てきます。「リスク: 20% リターン: 7%という数字は過去のデータから出した値なんだから、それを使って将来のリターンを予測する意味はないだろう」と。私も以前はこの批判に対してモヤモヤしていました。

でも最近はこの批判に関してこう思うのです。将来のトータルリターンを見積もるためには過去の実績に頼らざるを得ないと。

 

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私は実用的なものを好む人間です。確かに過去の実績から算出したリスクとリターンを金融工学で使う式に代入して得られる結論が100%正しいとは言えないでしょう。

では、この方法以外に有効な、将来のリターンや元本割れ確率を、数字を使って計算する手法があるのか?と問えば答えは「No」だと思います。

つまり他に良い方法がない以上、100%正しい推測ができないことは理解しつつも、過去のデータに頼らざるを得ないのです。ここは割り切りが必要だと思います。要は、割り切らないと物事は何も進まないのです。

一例を挙げましょう。例えば太陽光発電の採算性を検討するとします。収益に大きく影響するのは日照時間です。

そこで「将来の天候なんて予測不可能なんだから毎年どれだけの収益が出るなんて計算できません」という態度で計算を放棄する人はいないでしょう。そんなことを言い出せば何も進まない。

そこで何をするかというと、「過去に起きたことは将来も再現する」と割り切るのです。下の図は関東区の過去に日照時間のデータですが、正規分布に近い形をしている。

 

引用: 日本の年間日照時間の分析

 

データに正規分布を当てはめれば日照時間の平均値と標準偏差を求めることができます。そして収益の平均値を計算できます。さらには標準偏差を用いれば収益がどれくらいブレるかも分かります。その結果、「収益の年平均値は1000万円だが、20%の確率で赤字になる可能性もある」と計算できます。

ここで導き出した数字をもとに、今度は収益の平均値を引き上げる方法やリスクを減らす方法をさらに検討していくのです。パネルの性能を上げるなり、太陽光を追尾するシステムを導入するなり、立地を変えるなりする。そしてキャッシュフローをもとにIRR (内部収益率)を計算し、その事業が投資するに値するかを判断する。

定量的な議論こそが意思決定の判断基準になるんです。フィーリングで儲かりそうとかダメそうとか、そんな判断はあり得ない。

ここでは太陽光発電の例を挙げましたが、株式投資のリスク・リターン分析も似たようなことをやっていると言えるでしょう。

 

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過去の実績が将来を100%保証しないことは百も承知です。他に良い方法がない以上、割り切りが必要だと思っています。

実用的な観点に立てば、100%正しくはなくても筋が通っている手法をテイクするのは当然でしょう。「いやいや100%正しくないような方法は使うべきではない」という考え方は厳密な議論を要する学問の世界では正しいかもしれませんが、実用的観点からいえば使い物になりません。

 

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