チャンドラです。
「利率」と「利回り」は意味が違います。
「利率」は「表面利率」ともよばれ、額面金額に対して毎年受け取る利子の割合の事です。
「利回り」は投資金額に対する利子も含めた年単位の利益の割合の事です。
簡単な例を見てみます。
<年利率5%の債券を100万円分購入、5年後に120万円で売る場合>
5年間の利子:100万円 x 5% x 5年 = 25万円
5年後の売却益:120万円 – 100万円 = 20万円
5年間の利益:25万円 + 20万円 = 45万円
利回り:8%
<年利率5%の債券を100万円分購入、5年後に80万円で売る場合>
5年間の利子:100万円 x 5% x 5年 = 25万円
5年後の売却益:80万円 – 100万円 = -20万円
5年間の利益:25万円 – 20万円 = 5万円
利回り:1%
どうでしょうか?
どちらの債券も同じ年利率5%ですが、利回りは異なります。売却金額が異なるからです。
もういちど言葉の定義をちゃんと見てみます。
利率:額面金額に対して毎年受け取る利子の割合
利回り:投資金額に対する利子も含めた年単位の利益の割合
だから「S&P500の過去20年の利率は年平均5%」とは言いません。
正しくは「S&P500の過去20年の利回りは年平均5%」です。
S&P500に連動する株を買っても利子はもらえないからです。
米国債の場合は、「利率」とも「利回り」とも言えます。
上の例で見たように、「米国債の利率」とは債券が手元にある間にもらえる利子です。
一方「米国債の利回り」とは債券を売った後にもらえる利益の年単位の割合です。
上のデータはブルームバーグで見た米国債の利率と利回りのデータです。
米国債2年を見ると、利率は1.75%、利回りは1.51%であることが分かります。
100万円でこの債券を買うと、
2年間でもらえる利子:100万円 x 1.75% x 2年 = 3.5万円
2年後の売却益:100万円 x (1+1.51%)^2 = 3万円
利子よりも、利子も含めた売却益の方が小さいということは、2年後の債券の価格は購入価格の100万円より低くなると予想されているのです。
利率と利回りは間違えやすいので注意しましょう。
それでは。
関連記事: