生活防衛費が手元に十分ある状態で、それにも関わらず保有しているリスク資産を売って利益確定させるケースがあります。
それをやるのは、今後保有していても価格が上昇しないだろうと見切りをつけるからです。
特定企業の個別株をノリで買って成長性に幻滅して売るのであればともかく、S&P500連動インデックス・ファンドのように長期的には右肩上がりが予想されるファンドを利益確定させる意図は何か?
例えば次のようなケースを考えてみます。
S&P500に1000万円投資して200万円の利益が出ている。つまり資産は1200万円。これを売って20%の税金40万円を支払うことで、1160万円の現金を受け取る。
何をしているかというと:
1,200万円のリスク資産 = (40万円の税金)+(1,160万円の無リスク資産)
こう考えると、40万円の手数料を国に支払ってリスク資産を無リスク資産に交換していると解釈できます。
もっと簡単に言えば、「リスク資産の利益確定」は「金払ってリスクを回避している」のと同じなんです。
なんだか当たり前のことを言っているようにも聞こえますが、けっこう重要な視点だと思います。
繰り返すと:リスクの回避には金がかかる
投資に限らず経済活動を見れば、リスク回避には個人・組織によって多くの金が投入されていることが分かります。
損害保険に金をかけるのも人や物に損害を与えてしまったときのためにリスク回避だし、金融機関などに警備員を置いておくのも強盗で金を奪われるリスク回避です。「リスク回避に金がかかる」というのは汎用的な考え方。
で、話を戻すと重要なのは「わざわざ金払ってリスクを回避する必要があるのか?」ということ。
もう十分資産も築けたしリスク取る必要はないと判断したのなら分かる。今後はリスクはそのままでリターンだけ下がる(つまりシャープレシオが下がる)と判断したならそれも分かる。
でも、一時的に株価が下がったからなんとなく売って利確しておくのは最悪でしょう。
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sp500が8%下落したら売却して、20%下落したときに買い戻す事によってより資産を増やすと言う戦略はなしでしょうか?
生活防衛費があるからこそ、そのようなチャレンジもできるかなと考えるのですが、私自身この事に関して間違ってるかも知れないと悩んだりもしますが、どうですか?
コメントありがとうございます。
>sp500が8%下落したら売却して、20%下落したときに買い戻す事によってより資産を増やすと言う戦略はなしでしょうか?
例えば現在1000万円投資してるとして、
8%下落したら評価額は920万円。
売却したら税金20%を抜いて手元に残るのは726万円。
現在より20%下落して726万円分のS&P500を買う。
現在の価格に戻せば評価額は907万円。
こう考えると、あまりメリットはないように感じますが・・・。合ってますかね?
返信ありがとうございます。
税金の20%の計算が違うと思います。
税金は利益にたいして20%かかるのであって元本を含めた920万円全てにかかるわけではないです。元本700万円利益300万円だとすると税金は300×0.92×0.2=約55万円になります。
それと説明不足でしたが8%下落したら売却は実行する予定ですが、20%下落したら買い戻すは相場の雰囲気次第で30%下落になるかもとは考えています。
失礼しました。20%かかるのは利益でした。
定量的に検証してみたいと思います。面白そうだったら記事にします。