トマ・ピケティが唱えたのは「r>g 」。r=資本収益率、g=経済成長率。要は、資産運用で得られる利益の成長率は、労働によって得られる賃金上昇率を上回るということ。
ここで、「資産運用で得られる利益」を「全世界株式インデックスに投資して得られる利益」と言い換えると具体性が増して分かりやすいと思います。
全世界株式インデックスは、年間平均5~7%程度で成長していることからも、長期で見れば資産は増加します。
こう考えると、金持ちはより金持ちになるイメージがつきやすくなります。
ポイントは、金持ちにしろ庶民にしろ、保有している資産に大きな差はあれど、生活費に大きな差はないという点です。
例えば、庶民が資産500万円・年間支出300万円とします。金持ちの資産が1億円だとしても、年間支出は同じ比率を適用して6000万円もいくはずはなく、せいぜい600~800万円程度でしょう。
すると、何が起きるかというと、金持ちは生活防衛資金を確保しつつもより多くの資産をリスク資産に振り分けることができるというわけ。
例えば現金資産500万円の庶民が100万円を全世界株式インデックスに投資するかウジウジ悩んだところで、バートン・マルキール氏の本に納得できた現金資産1億円の金持ちは、5000万円をポンと全世界株式にぶち込むことだってできます。
ある年にたまたま50%の暴落が起きたとします。庶民は100万円が50万円に下がるので、怖くなって投資をやめてしまう可能性が高い。では金持ちは?5000万円が2500万円にまで下がりますが、それでも現金含めた資産は7500万円もあるので余裕で年間支出の10年以上は確保できているというわけです。
もちろん暴落時のストレス耐性は、全世界株式インデックスが長期的に成長することを信じられるかどうかと、理性を保ってホールドできているかどうかによりますが、それ以外で効いてくるのは暴落時においても十分生活できるだけの資産が確保できていることの安心感にあると思います。
私が思う「金持ちはより金持ちになる」理由はこれです。要は高いリスクがとれて、暴落時にも投資をやめない余裕をもてる人がどんどん金持ちになれるんです。
ちなみに、もっとリスクを取りたければS&P500の2倍レバレッジに5000万円をぶち込むことだってやろうと思えばやれちゃいます。私の過去の検証によれば、2倍レバレッジを20年間ホールドできれば、資産が6倍を超える確率は30%近くあります。
つまり、現金資産1億円ある金持ちが5000万円をS&P500の2倍レバにぶち込めば、確率30%で資産を3億円以上にできるわけです。そのぶん元本割れリスクも確率30%近くありますが、不幸にも半分の2500万円まで下がっても、生活するには十分なカネです。
関連図書
「日本人のためのピケティ入門」読んだけど、r>gは分かったけどじゃあどうすんの?とくれば、結局インデックスファンドに投資しとけってことなんですよね。小難しい本読むより「ほったらかし投資術」読んどきゃOK。
「日本人のためのピケティ入門」
「ほったらかし投資術」
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