日本人なら米食えよ!
なんて言われるまでもなく、毎日米を食べてる人は多いと思います。美味しいですよね、炊き立ての米って。
ところで米って足りなくなったら困るし、買い過ぎたらデカいから邪魔。
だから、米を切らさずになおかつ在庫を抱えない数量を知りたい。
実はそんな方法があるんです。
話は変わりますが、最近、製造業の生産管理に詳しいオッサンの話を聞く機会がありました。そのとき「安全在庫」という考え方を教えてもらったんです。
安全在庫とは、欠品を防ぐために工場で持っておくべき在庫の量のこと。
例えば工場でネジを製作するとして、毎月平均10万本売れるとします。じゃあネジ10万本分の材料を在庫でもっておけばよい、とはなりませんよね。だって、ネジが売れる量は毎月変動するんだから。
だからといって半年や1年分の在庫を抱えておくのは無駄です。在庫を置く場所のムダ、在庫を数える無駄、在庫が錆びたりしないように管理する無駄が発生するから。
では少なすぎず、多すぎない最適な在庫量はどれだけか?それが安全在庫なんです。
在庫数量 = 平均使用数量 + 安全在庫
安全在庫 = (安全係数) x (使用量の標準偏差) x √(調達時間)
安全係数は欠品許容率から下の表を用いて計算できます。欠品を完全にゼロにするのは無理、ある程度の欠品はしゃあなしで許容しつつ、在庫量を統計的な観点から決めるために安全係数が必要になるんです。
引用: 古川物流
上に挙げたネジの例で考えます。
ネジを1か月平均10万本売り、1か月おきに材料発注するとします。
1%の欠品率を許容するとしたうえで、1日当たり使用量の標準偏差が500本、調達時間 (注文してから届くまで)を30日とすれば、
安全在庫 = 2.33 x 500 x √(30) = 6,380
つまり、ネジの原材料を10,6380本在庫としてもっておけば、欠品は1%に抑えられることが分かります。
なるほど。これは面白いですね。
要は原料をどれだけ使用するかは不確定なので、使用量が正規分布に従うと仮定して安全在庫を計算してるんですね。酔ったオッサンが夜中にフラフラ歩いて、翌朝どの位置にいるか?っていう酔歩の計算です。
この考え方はそのままコメの最適な在庫量の計算に使えます。
ネジの在庫との対応関係は次の通り。
在庫 = 家庭で置いとくべき米の量
平均使用数量 = 毎日食べる米の平均的な量
標準偏差 = 毎日食べる米の量の標準偏差
欠品許容率 = 米の保存切れを許容できる率
調達期間 = 米を買いに行くインターバル
こうやって置き換えれば、手元に最低限置いておくべき米の量を計算できそうです。
例えば4人家族を想定します。
毎日食べる米の平均的な量:3合=450g=0.45kg
標準偏差:0.18kg (少食の日や麺を食う日もあるので40%バラつくと仮定)
欠品許容率:1% (米がないと旦那が怒り狂うと仮定)
安全係数: 2.33 (上の表から読み取った)
調達期間:30日 (月1回買い物に行くとする)
安全在庫 = 2.33 x 0.18 x √30 = 2.3kg
在庫量 = 0.45 x 30 + 2.3= 15.8 kg
つまり15.8kg買っておけば、1か月間で米を切らす確率は1%に抑えることが出来るし、余計な在庫を抱える必要もないことが分かります。
じゃあ、なぜ安全在庫が上の式で計算できるのかは別の記事で紹介します。
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いつも楽しみに拝見しております。^^
面白い考え方ですね!
実家の米の貯蓄を思い出しました(笑)
コメントありがとうございます。私の実家も米を貯めまくってますねww できるだけ在庫は減らす工夫がいりますね。