チャンドラです。
外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」を読みました。
「外資系コンサル~」関連の本は内容が浅そうなので敬遠していたのですが、Kindle Unlimitedで無料だったので読んでみたところ、これは当たりだと思いました。
自分がこれまで無意識にやっていたことが明確に言葉にされています。そして今後実践していきたいことも。
私が共感した心得を12個紹介します。私の仕事の失敗談もあわせて紹介したいと思います。
いわずもがなですが、外資系とかコンサルとか関係なく全ての仕事に適用できる心得です。
知的生産における成功・失敗は、あくまでも「顧客の期待値と成果物とのギャップ」によって決まります。
新入社員の頃よくやったミスはこれに起因します。
上司が完全無欠な成果物を求めていると勘違いして作業を進める。頑張ったけども作業は終わらず。直前になって「できませんでした」で上司を怒らせる。
作業を始める前にやるべきことは成果物の品質と納期の確認です。そして作業進捗の報告も。そうすれば「やっぱりできませんでした」を防ぐことができます。
指示は「行動」で出すのではなく「問い」で出す
<悪い例>
上司が「インフラ市場の情報を集めろ」と指示。部下はありったけの情報を集めるが、色々情報が多すぎて途方に暮れてしまいます。
<良い例>
上司が「市場規模はどれくらいか」「セグメントはどのように分かれるか」が分かる情報を集めるよう指示。指示が明確なので部下は迷うことなく上司が期待した情報を集めることができます。
得られた情報をもとにして、どんなスライドやレポート文書をつくるかを事前にイメージしておく
今でも上司に言われます。報告書を書くときはまずシナリオを作る。そして調査やインタビューで得た情報をそこに加えて完成させる。
具体的にいうと、タイトル・章構成・見出しをあらかじめ決めておき、例えば「背景」など書けるものは先に書いておく。こうすると報告書を書くのが速くなります。
集められる情報と質の量は運動量で決まる
同感です。人に聞けば一瞬で解決するのに、延々と過去の資料やネットで探す人って確かにいます。自戒も込めてここに挙げました。
わたしたちが知的成果として世に訴えられる情報は基本的に三種類しかありません。その三つとは「事実」「洞察」「行動」です。
特に重要なのは「行動」。「行動」は「What(何をするか)」「Why(何故するか)」「How(どうやってするか)」で構成されるべき、とも著者は述べています。
知的成果だけではなく上位者への報告でも同じです。私も報告に「行動=(事実に基づいて今後何をすべきか、または何もしなくてよいのか)」が入っていなくて怒られた経験が多々あります。
ちなみにこの「行動」を重視する考え方はプラグマティズムに共通します。
ポジションを取らないと評論家になってしまう
「ポジションを取る」=「自分の立場を表明する」こと。そしてこれには勇気がいります。
だからこそ自分の主張の正しさを証明するための努力が生まれるし、その過程で自分も成長できる、と著者は述べています。
ポジションを一度取った上で、新しい情報がそれを反証するのであれば即座にそのポジションを捨てる
仕事はスピード勝負な面があります。だから「何をするべきか」を決めるうえで、まずは限られた情報をもとに明確な立場を取る。追加情報で自分の考えが変える必要があれば柔軟に変えていく。ダラダラと結論を先延ばしにしないこと。
「自分ごと化」することで、ありがちな世間の意見や風評に流されることなく、初めて自分の皮膚感覚で判断できるようになる。
今でも上司に言われます。「考察が浅いのは自分の事として考えていないからだ」。ごもっともです。
「分かっている」と「なんとなく分かる気がする」とを現実に見極める感度を持つ
見極める、というか自分の経験では「なんとなく分かる」=「分かっていない」です。
私の場合、自分が「なんとなく分かる」場合は「分かっていない」と判断して相手に質問するようにしています。とはいえ、全ての事柄を「分かる」ようになることに執着すると時間がいくらあっても足りないので、分かる必要がある事柄はすぐ聞く、緊急でない場合はほっとくことにしています。
説得よりも納得を、納得よりも共感を
加えて共感してもらうためには「論理(つじつまがあっている)」「倫理(道徳的に正しい)」「情熱(思い入れをもった)」が必要。
質問が出た場合には…その質問の背後にある真意をくみとる質問を逆にこちらからするべき
同感です。顧客が質問してくるときは大抵質問に意味はなくて「反対」の表明として質問してくるときがよくあります。
私もそういうときは「何が懸念ですか?」と聞くようにします。そうすると「実はあなたの提案には一部懸念点がある。それは・・・」と真意を引き出せます。
差異を見出し、その差異を生み出す構造的な要因まで踏みこんで理解したうえで、その違いをリスペクトしつつ全肯定するということです
「あの人とは考え方が違う。まあ色々な考え方があるよね」で思考停止してはダメ。なぜ考え方が違うのか、文化的な違い?企業文化?立場?宗教?
相手との差異をそこまで踏み込んで考察し、差異を肯定する。すると相手の思考パターンを理解できるし、相手を納得させるためのヒントが出てくる。
以上が外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」の中で私の印象に残った心得の紹介でした。
リストされたものを見ると、どれも「行動」を重視していることが分かります。私のまず始めの「行動」として、この12個の心得を手帳に書いて定期的に目を通すことにします。
本書にはここでは紹介しきれなかった有用な「心得」がまだまだたくさん載っています。興味がある方はチェックしてみてください。
それでは。
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