何かの本にビジネスマンなら確率・統計を理解しとけと書いていました。
職種によるので何とも言えません。私は仕事で確率・統計をほぼ使っていないので。
でも投資やるなら確率・統計をやっておくのは重要だと思っています。理由は簡単。投資にはリスクがつきもので、定量化されたリスク・リターンを分析するのに確率・統計を使うから。そして、
金融商品の優劣を判断したり巷で流布している説明がホントか判断するために、確率・統計の知識が役に立つと思うからです。
例えば「72の法則」。過去記事で説明しましたが、72の法則を無邪気にリスク資産に適用するのは危険です。なぜなら72の法則の元の計算式にはリスクが考慮されていないから。
S&P500の年平均リターンは7%。だから「72の法則」を適用すれば10年で元本2倍になる。
これは正しくないと説明しました。理由はリスクの存在を考慮していないからです。だから正確にはこう考えるべき。
S&P500の年平均リターンは7%。ただし20%のリスクをもつ。従って10年後はある確率で元本2倍になる。
リターンは確率分布をもつため、10年後のリターンは必ずしも2倍にならないのです。
あとはレバレッジ3倍ETFでしょうか。レバレッジ3倍ETFの年平均リターンがレバなしよりも高いことは明確ですが、中央値が激下がりするという盲点があります。過去記事参照。
レバレッジを大きくするほど
(1) リターンの平均値は大きくなる。
(2) リスクも大きくなる。
(3) 中央値はある閾値を超えると小さくなる。
米国株式指数であれば1.75倍を超えるレバレッジをかけると中央値は減るし、ましてや3倍レバレッジの中央値はレバレッジ0.5倍と同じなんです。
「72の法則」は元本2倍になる投資期間を概算するには確かに便利。でも「概算」に落とし穴があるんです。
「72の法則」がリスクを考慮していない点、リスク資産のリターンは確率分布を持つ点、元本2倍になる確率がある点を知っていない、その落とし穴には気付かない。
レバレッジ3倍ETFもリターンの平均値だけ見ていてもダメ。中央値が下がる点、自分が高いリターンを得る確率が何%なのかを知らないと、「平均値が高いから爆益」だけという派手な宣伝だけに魅かれてしまう。
これが確率・統計を知っていないと落とし穴にハマるという理由です。
「S&P500のレバ3倍ETF (SPXL)に投資すれば年平均リターン20%だから4年後に元本2倍」なんて落とし穴に2重にハマっているのが分かるでしょう ww
もちろん当然これらを理解していて自分のリスク許容の範囲内で投資してるのであれば問題ナシ。知らずにやってるのなら今からでも学び始めた方がいいと思いますよ ww
おススメ書籍:
ポートフォリオに関する確率・統計を学ぶならこれがおススメ。
記事が役に立ったらクリックお願いします↓