投資にポートフォリオ理論の知識を必要とするのは誰か?
ここで言っているポートフォリオ理論とは、
「株価の変動はどのように数学的にモデルできるか?」
「なぜ多くの銘柄に投資することでポートフォリオのリスクを下げることができるのか?」
「なぜリスク資産の時価総額加重平均のシャープレシオは最大となるのか?」
「なぜレバレッジをかけすぎるとリターンの中央値が低下するのか?」
に関する理論です。私の過去記事でもたびたび紹介している内容です。
で、本題の「ポートフォリオ理論の知識は必要か?」という問いに答えるならば、機関投資家は除くとして、ぶっちゃけ多くの人にとっては必要ないと思っています 。(こんだけ記事書いといてそれかよ!!)
では、必要だと思う少数の人たちは誰なのか?
それはインデックス投資だけで運用していくと決めた人たちです。
今を時めくイケイケの企業や、そんな企業をかき集めて3倍もレバレッジかけたファンド。そんなものに投資したくなる誘惑を一刀両断するための武器。それこそがポートフォリオ理論だと思ってます。
そもそもポートフォリオ理論でインデックス投資が最適だと理論的に示されたのが今から50年以上前。
そしてほとんどのアクティブ・ファンドがインデックス・ファンドに(長期で見ると)成績が劣る、というのは「ウォール街のランダム・ウォーカー」でマルキール氏がファンドマネージャーをディスりまくるかの如く書き殴っているのはよく知られています。
私は全世界の投資家のうちインデックス・ファンドで運用している人とアクティブ (または個別株)で運用してる人の割合を把握してませんが、おそらく後者が圧倒的に多いと推測します。
理由は簡単で、ポートフォリオ理論を信じていないから、でしょう。
そもそもポートフォリオ理論にはいくつかの前提条件があるし、確率的な要素を理論に取り入れている以上、その結論が絶対的なものにはなりえない、という考えかたがあるのだと思います。
古典力学みたいに球を投げる方向、加速度、初速度を指定すればどこまで飛ぶかは「確実に」予測できますが、株となるとそうはいかない。理論はあるけどそれは机上の空論で、現実は理論通りいくわけないぜ、ヒャッハー、と。
まあ私もたまにそう思いますよ ww
だからこそ、理論なんて複雑な現実世界の株価の挙動を説明できるわけがない、と思う人々にはポートフォリオなんて必要ないと思うんです。「だから何なの?Amazonの株価は20年で150倍まで上がったけどS&P500はせいぜい3倍じゃね?」と言われるのがオチです。(20年間にAmazonが伸びると気付けたのかは、置いとくとして)
逆に「ウォール街のランダム・ウォーカー」や「投資の大原則」を読んでインデックス投資に触発された人にはポートフォリオ理論を学ぶことを薦めます。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」は「インデック・ファンドの成績が多くのアクティブ・ファンドよりも優っていた事実」と「アクティブ・ファンドのディスリ」要素が大きいです。
一方でポートフォリオ理論は、「ウォール街の・・・」には書いていないインデックス・ファンドの優位性の理論的な説明を与えてくれます。
従って、「ウォール街の・・・」を読んでそのあとにポートフォリオ理論を学べば、インデックスを長期にわたってホールドし続ける意志を強固にしてくれるはずです。
実は私もそのようにしてインデックスをホールドし続けている今に至ります。
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