バンガード社のレポートを読んでいると「規律」という単語が頻繁に出てくることに気が付きます。
・・・規律ある投資家は、不安を感じさせるニュースにもかかわらず株式投資を継続することで、2020年に利益を手にしました。
投資活動において、規律あるアプローチを維持することのメリットと、衝動的な判断によって規律を踏み外すことの代償は次のようなものです。
ボラティリティが高まると投資家の度胸が試されますが、これを『バンガード日和』、つまり規律ある低コストの長期的資産運用が役立つ時期だと考えることがあります。
バンガード社が繰り返す「規律」という言葉の意味は下の文章に込められています。簡単に言えば市場が不安定な時でも自制心を持てということです。
投資は、時に大きな感情の波をもたらします。マーケットの混乱に直面すると、投資家の中には衝動的な行動を取ってしまう人、逆に思考が停止してしまい、投資戦略の実行や必要なリバランスができなくなる人も出てきます。しっかりとした自制心と長期的な視点を持ち続けることで、たとえマーケットが不安定なときでも、投資家は投資目標の達成に向けて、焦点を定めることができるようになります。
2020年はコロナ禍で一時期市場は大荒れでしたが、そこでリスク資産を手放さずに我慢するか、買い増しした人がその後の株価上昇の恩恵を受けることができたと思います。私も淡々と買い増し続けたので2020年は数百万円の利益を得ることができました。
バンガード社が説く「規律」や「自制心」という言葉を見ていると、結局のところ投資で大切なのはテクニックよりも精神の鍛練だという気がしてきます。心頭滅却すれば火もまた涼し、という言葉がありますが、そんなふうに環境の不安定性に耐えることができる、そんな精神。
年配の人はそういう精神鍛錬の重要さを説く人は多いし、私の亡くなった祖父も生前は「忍耐できる人間になれ」と口うるさく言っていました。
すると投資家がもつべき行動指針が見えてきます。リターンを増やすために色んな本やブログを読み漁って銘柄分析するよりも、環境に左右されないための精神鍛錬の方が重要なのではないか?と。
早く答えを得る効率が優先されて精神鍛錬が軽視されるような風潮がありますが、精神鍛錬を見直す必要がある気がしています。バンガード社のレポートを読んでいて見つけた、意外な発見でした。
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