私も含めて株式投資をしているサラリーマン投資家は多い。本業の給料が上がらないとか、終身雇用制度が今後も維持されるか分からないとか、人それぞれ理由があるだろう。色々と理由があろうが、それを一言でいえば「資産を増やしたい」だろう。
多くの人は投資対象について自分なりに調査する。そして高配当銘柄なり、成長銘柄なり、市場平均インデックスに落ち着く。ああ、やっと理想の銘柄を見つけることができた。君と共に生きていこう。そして大きな資産を築こう。
そこで私は考え込んでしまった。自分の勤めている企業は自分が投資したいと思える企業なのかと。
人はどんな企業に投資したいか?「成長が見込める企業」「配当金が多い企業」「不況に強い企業」「世界中にエンドユーザーがいる企業」「誰もがその会社のサービス抜きにはもはや生きていけない企業」だいたいこんな感じだろう。逆にどんな企業に投資したくないだろう?「斜陽産業に属する企業」「利益が全然出ていない企業」「景気に影響を受けやすい企業」「研究開発にぜんぜん投資していない企業」こんな感じだろう。
自分の勤めている会社は、自分の大切な金を投資するに値する会社だろうか?GAFAと比較するのは極端だとしても、成長性が見込める会社だろうか?成長しようとしているだろうか?利益を出すために必死に創意工夫しているだろうか?
私の予想では、ほとんどの人はNOと答えるだろう。そもそも自分の勤務先はブラックで全然給料上がらなくてクソだから、GAFAとかの優良企業に投資しているんだ、と。実は私もそれに似た考えを持っている。社畜の私は会社が利益を出すために働いているが、斜陽産業で、景気に影響を受けやすく、そして研究開発への投資が少ない。(それでも会社は好きだが。)
株式投資のためにセクターや銘柄を研究すると、目的は違うとしても、「果たして、自分の会社が投資したい企業なのか」という疑問に嫌でも向きあわされる。投資に値する会社ではないということは、この会社にいても資産を増やせないということだ。だってそんな会社が従業員に高い給料や福利厚生の充実を約束するはずがないから。凡庸なサラリーマンとして、この現実に向き合うのは辛い。ここで心を折らず、「おれは、おれが投資したいと思う企業に転職するぞ!」とか「おれが投資したいと思えるような会社に、おれが変えて見せる!」とマインドチェンジできるサラリーマンこそが道を開き、大きな資産を築けるのだろう。