前回の記事では米国S&P500の最適なレバレッジを計算しました。今回は米国以外の主要株式指数の計算結果を紹介します。
その前に、ポートフォリオにレバレッジを加えると何が起きるか主要なポイントを再掲します。
レバレッジを大きくするほど
(1) リターンの平均値は大きくなる。
(2) リターンの中央値は最大値をもつ。
(3) 最適なレバレッジはリターンをリスクの2乗で割った値
リスクとリターンは過去の長期間の実績値をもとに求めることができます。そしてこの値を用いて(3)の計算方法を用いて最適なレバレッジを計算できます。
米国S&P500の最適レバレッジは1.75でした。そこで日本、先進国、新興国、全世界の最適レバレッジを同じ方法で計算してみます。
結果がこちらです。各指数のリスクとリターンはMSCIなどから引用しています。期間は10年~15年程度としています。
どの指数も最適レバレッジは3以下となりました。
私が知る限りレバレッジをかけるETFには2倍か3倍のものが多いです。従って最適レバレッジに近い倍率をかけるETFで運用すれば理論上、高確率で高いリターンを得ることができます。
レバレッジはかけすぎに注意が必要です。例えばS&P500の最適レバレッジ1.75倍に対してレバレッジ3倍を加えると、中央値は下がってしまいます。中央値の下げは時間と共に大きくなります。
SPXLなどレバレッジ3倍かけるETFはありますが、全世界株式の3倍ETFは私の知る限り販売されていないようですね。最適レバレッジは2.45倍なので今回比較したもののなかでは一番3倍レバレッジに近いのですが。。。
参考:
各指数のリスク・リターンの分布図はこちらです。
リスクとリターンに対する最適レバレッジはグラフ上を表現できます。Lopt=2の曲線にのる指数があれば、その指数の最適レバレッジは2倍です。S&P500はLopt=1とLopt=2の曲線の間に入ります。
現代ポートフォリオ理論をまとめた記事を書いています。こちらから。
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