ソースは忘れてしまいましたが、投資に関する記事で「高配当株の年率リターンが低いことをデメリットとして挙げている人がインデックスファンドを買うのはおかしいだろ。だってインデックスには高配当が混ざってるんだから。」というのを見ました。
待て待て待て、違いますよ ww
ええ。確かにその主張は正しく聞こえるんです。リターンが低いことを嫌がる人間が何故、低リターン銘柄が混ざったインデックスを買うのかと。
例えて言えば、辛いのが苦手なのになんで唐辛子が少量入った食い物を注文するんだと。まあ、そんな感じでしょう。
でも違うんですよ。それは。インデックスファンドは高配当だろうが成長株だろうが、全ての銘柄が時価総額加重平均で混ざっている点が最大の強みなんです。
その理由は過去記事参照:
なぜ全てのリスク資産の時価総額加重平均が最適なポートフォリオなのか?その理由と理論的背景。
インデックスファンドから特定の銘柄を抜いたらその強みを失います。その強みとは構成銘柄の時価総額加重平均であるがゆえに、シャープレシオが最も高いポートフォリオである、ということ。
下は過去記事からの引用で、異なる2つのリスク資産からなるポートフォリオが、その構成割合を変えることでリスクとリターンがどのように変化するかを示したもの。出処はこれ:
「分散投資でリスクを下げる」の本質
リスク・リターンが高い資産だけかき集めてもリスク・リターンが高いポートフォリオができるだけなんです。逆にリスク・リターンが低い資産をかき集めてもリスク・リターンが低いものができるだけ。
そこに、低リターンでも相関性が低い資産を混ぜることでリスクを下げつつもリターンを高めるポートフォリオを組むことができるわけです。
なぜか?口でダラダラ説明するよりも上のグラフのカーブを見てください。相関係数が-1に近いほど曲線に突起が表れてリスクを下げつつもリターンを向上できるポートフォリオをが出現しているのが視覚的に分かります。
こういう性質を踏まえて、では資産の最適な配分は?その配分こそが時価総額加重平均です。時価総額加重平均で混ぜると、そのポートフォリオは効率的フロンティア曲線上の接点ポートフォリオと一致します。
大切な事なのでもう一度。インデックスファンドは全ての銘柄が時価総額加重平均されているポートフォリオである。それがゆえに理論上もっともシャープレシオが高くなるんです。
ちなみに債権や金などをポートフォリオに混ぜるとさらにシャープレシオを改善できます。それに関しては別の過去記事を参照。
WealthNaviのアルゴリズムを読むべし。現代ポートフォリオ理論に基づいてキッチリ分散。
「インデックス・ファンドに低リターンの銘柄が混ざっているから、インデックスはダメ」というのは間違いだというのが私の考え。
それは部分しか見てなくて全体が見えていないってことです。
引用記事リスト:
「分散投資でリスクを下げる」の本質
全てのリスク資産の時価総額加重平均が最適なポートフォリオなのか?その理由と理論的背景。
シャープレシオが最大になるのは効率的フロンティア曲線上の接点ポートフォリオ。
WealthNaviのアルゴリズムを読むべし。現代ポートフォリオ理論に基づいてキッチリ分散。